研究課題/領域番号 |
08J00767
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
難波 卓司 熊本大学, 大学院・薬学教育部, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 癌細胞 / 小胞体シャペロン / GRP78 / ORP150 / NSAIDs / 小胞体ストレス応答 / 抗癌作用 / アポトーシス |
研究概要 |
癌細胞に種々の小胞体シャペロン(GRP78、ORP150など)を大量発現するベクター、もしくは発現を抑制するベクターを導入し、定常的に発現誘導(あるいは発現抑制)が見られる株を作成した。次にこれらの株をヌードマウスに移植し、NSAIDsの抗癌作用を対照細胞と比較した。その結果、GRP78、ORP150を過剰発現している細胞を移植した場合、野生型の細胞に比べ、癌の形成が促進されることを見出した。この結果は、in vivoにおいて、小胞体シャペロンが癌の増殖に影響を及ぼすことを示す初めての結果である。さらに移植癌細胞の浸潤や転移、癌組織周辺での血管新生や悪質液分泌などについても調べた。血管新生については移植癌細胞付近の血管新生を観察したり、血管新生を促進する因子(VEGFなど)をELISA法で調べたりした。浸潤については組織から切片を切り出し、HE染色法などでその浸潤の程度を評価した。また転移については癌細胞が蛍光タンパク質を発現するように工夫し、移植した後、各組織から蛍光タンパク質が検出されるかで評価した。その結果、種々の小胞体シャペロンが移植癌細胞の浸潤や転移、癌組織周辺での血管新生や悪質液分泌に影響を与えることを見出した。今後は、ORP150のプロモーター領域をルシフェラーゼ遺伝子の上流に導入し、そのプラスミドを癌細胞へ導入し、この細胞に当研究室が保持している生薬ライブラリーを作用させ、小胞体ストレス存在下ルシフェラーゼ活性を低下させるもの、即ちORP150のプロモーター活性を抑制するものを検索する。その後、誘導阻害物質を特定し、その阻害機構を解明する。同時に小胞体シャペロン阻害剤単独、またはNSAIDsとの併用の、抗癌作用を検討したい。
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