研究課題/領域番号 |
08J00832
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
石田 直哉 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | ヒドロニウムイオン / 核磁気共鳴 / 明礬石 / フッ素魚眼石 / H_2分子 / カバンシ石 / ペンタゴン石 / 含水鉱物 / NMR |
研究概要 |
本年度の研究成果は、核磁気共鳴法(NMR)を用いた分析手法の確立にあった。まず、昨年度に合成したカリウム-ヒドロニウム明礬石の連続固溶体に対して、^1H MAS NMR測定を行なった。その結果、ヒドロニウム明礬石の端成分では10-11ppmのNMRケミカルシフトが認められ、カリウム明礬石の端成分ではこのケミカルシフトは確認されなかった。このことから、ヒドロニウムイオンのNMRケミカルシフトは10-11ppmに現れることが明らかとなった。さらに、このピークの面積をDmfitを用いて定量し、ピーク面積と出発物質から計算されるH_3O^+濃度との比較を行なったところ、良い相関があった。これは、出発物質のK:H_3O^+が正しいと仮定すると、NMRによって未知試料のヒドロニウムイオン濃度が定量可能となることを示唆する。 これらの技術を用いて、次にフッ素魚眼石に含まれる水素の構造状態を調べることを行なった。この研究も昨年に引き続いて行なわれ、昨年ではNMRで約-1ppmのケミカルシフトが存在することが問題となった。この-1ppmのケミカルシフトは、インドPoona産の試料で特徴的に見られる。さらに、このケミカルシフトを持つ試料は顕微ラマン分光分析において、3623cm^<-1>に微小なピークを持つ。しかし、全反射型顕微赤外線分光分析では3623cm^<-1>のピークは認められなかった。このように、ラマンスペクトルには現れるが赤外線スペクトルには現れないピークは、赤外・ラマン相互禁制則に当てはまると考えられる。そのため、3623cm^<-1>のピークは対称心を持った分子で魚眼石の構造上固溶されるのが容易であるH_2分子によると結論付けられた。このH_2分子という解釈はNMRのケミカルシフト-1ppmという値とも整合する。
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