研究課題/領域番号 |
08J00866
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
関 剛斎 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 特別研究員(SPD)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2009年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2008年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 垂直磁化 / 反強磁性結合 / スピン注入 / 高周波発振 / 磁化ダイナミクス |
研究概要 |
電子の持つ電荷とスピンという二つの自由度を利用したスピントロニクスにおいて、伝導電子スピン-局在スピン間の角運動量移行によるスピントランスファートルクを利用すると、磁場を用いずに磁化反転や磁化の自励発振現象を誘起できる。本研究は、「垂直磁化ナノ磁性体における高速磁化ダイナミクスの実現」を目標として遂行された。本年度は、(1)巨大磁気抵抗(GMR)素子のスピン注入自励発振において発振周波数の磁場依存性を詳細に調べ、(2)反平行結合磁場強度を制御することによる発振周波数の向上および線幅の制御を検討した。加えて、マクロスピンモデルに基づくシミュレーションを行い、実験結果との比較を行った。 (1)スピン注入自励発振における発振周波数の外部磁場依存性 前年度は、二つの強磁性層が反平行磁化状態に結合している反平行結合膜を有するGMR素子において、自励発振現象が誘起できることを示した。今年度は、発振周波数の外部磁場依存性について詳細な検討を行った結果、発振周波数は外部磁場の増加に伴い減少する傾向を示すことが明らかになった。実験結果を強磁性共鳴周波数の計算結果と比較したところ、反平行結合に起因した結合モードの誘起が示唆された。 (2)結合磁場強度に依存した発振周波数および線幅の変化 反平行結合膜を有するCPP-GMR素子の高周波発振現象に関して、反平行結合膜の結合強度の変化に依存した周波数および線幅の変化を調べた。反平行結合膜の結合強度を増加させるにつれて、発振周波数は増加する傾向を示した。このことから、結合強度をより強くすることによって、更なる発振の高周波化を期待することができる。一方で、発振の線幅は結合強度の増加に伴い数10MHzまで減少した。線幅は発振現象の周波数純度を表す重要なパラメータであり、結合磁場の増加により線幅を制御できる応用上重要な知見を得た。
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