研究課題/領域番号 |
08J00907
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
内山 秀樹 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 天の川銀河 / 銀河中心 / 銀河リッジ / すざく衛星 / 激変星 / 銀河拡散X線放射 / 銀河バルジ / 星間現象 / X線天文学 / パルサー風星雲 / X線検出器 |
研究概要 |
天の川銀河中心領域の「すざく」による大規模観測データの系統的解析を行った。銀河拡散X線放射の3本の鉄輝線を分離した上で、銀河中心・リッジ・バルジにわたる2100×700光年の領域での強度の空間分布を初めて取得した。その結果、高階電離鉄輝線の空間分布が赤外観測による星質量分布と互いに異なることを示した。水素・ヘリウム状鉄輝線強度比が中心領域とリッジ領域で有意に大きい一方、中心領域とバルジ領域では両者に差は見られなかった。輝線強度比は高温プラズマの温度を反映する為、銀河拡散X線放射の起源解明の鍵となる。更に、熱的成分の寄与を取り除いた中性鉄輝線の等価幅が中心領域よりリッジ領域で小さいことを明らかにした。これは中性鉄輝線の起源も中心領域とリッジで異なる可能性を示唆する。本研究は「すざく」による高エネルギー分解能を活かし銀河中心・リッジ・バルジにおける鉄輝線の差異を明確にした点で、銀河拡散X線放射の起源解明の新たな手がかりとなるものである。また、データ中から新たなX線天体Suzaku J1740.5-3014を発見した。強い3本の鉄輝線、432.1sの自転周期と見られるパルスを検出し、強磁場激変星候補であることを突き止めた。この天体は、欧米のX線衛星では深い観測が無い、中心とリッジの中間に位置し、この領域でのX線点源、特にGDXEの起源の候補天体と目される激変星(白色矮星連星)のサンプルとして貴重である。
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