研究課題/領域番号 |
08J01064
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
佐藤 憲太郎 神戸大学, システム情報学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2010年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 外延性公理 / 弱い集合論 / 無限公理 / 巨大基数公理 / 二階集合論 / グラフ的集合観 / 双模倣 / 相対化可述主義 / 集合のグラフ表現 / 計算量理論 / 二種限定算術 / 類理論 / 二階算術 / 数学基礎論 / 計算量 / 部分構造論理 / 双対性 / 代数論理 |
研究概要 |
昨年度に引き続き、双模倣の概念を用いての非常に弱い集合論の分析を継続した。非常に弱い集合論において無限集合の存在を保証する無限公理を採用しないものに関する論文は、昨年度の初めに学術誌に投稿してあったが、一年半の査読期間を経て本年度の最後に出版されるに至った(研究発表の雑誌論文の項目に記載)。無限公理を採用した場合の分析は、一昨年度に既に出版された論文で行っており、両者の比較により、様々な数学的命題の論理的な強さのなす数学的構造に対する無限公理の与える影響を明確に見て取ることができるようになった。尚、この二論文の合計は、モノグラフとしても決して短くなく、媒体の学術誌はモノグラフの発表の場をも標榜しており、特別研究員の採用中にモノグラフを一つ発表したといえるかも知れない。発表に至る前段階の研究活動として本年度は、上記の無限公理の影響の研究に引き続き、より大きな無限集合の存在を保証した公理(巨大基数公理)の影響の研究を行った。技術的には、この研究は二階集合論或いは類理論の研究と密接に結びついており、二階集合論の研究を行っているスイス連邦のベルン大学の研究グループに二度に亙って長期に滞在し、共同研究を行った。こうした研究では、単なる無限公理の影響の研究に結びつく二階算術の研究との類推が成り立ち、それを参考に研究を進めることになるが、二階算術との類推が大きく壊れる例が、重要なものの中にもあることが分かってきた。これらの結果は、平成23年に開催される幾つかの学会・研究集会等で発表する予定であり、また学術誌への投稿も準備している段階である。更にその過程で、可述主義に関する数理哲学の問題に大きく関わる数学的結果も発見されるなど、研究課題の採択時点では予想もできなかった程に、様々な研究テーマとの関連が見出されている。
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