研究課題/領域番号 |
08J01210
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川戸 貴史 東京大学, 史料編纂所, 特別研究員PD
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2008年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 日本史 / 貨幣流通史 / 16世紀 / 中近世移行期 / 織豊期 / 金山 / 産金 / 中世史 / 経済史 / 流通経済 / 戦国織豊期 / 金貨 / 貨幣 / 撰銭 / 悪銭 / 地域通貨 |
研究概要 |
今年度は当該期におけるその他の記録類について広く事例探索を行い、その分析を進めた。具体的には『舜旧記』『鹿苑日録』など、京都に住む僧侶や公家の日記を対象とした。現時点ではまだ分析結果の公表に至っていないが、早急に公表する予定である。また、蒐集したデータは、公用に供するためのデータベース化などを検討している。さらには当該期における諸権力による貨幣政策や、貨幣に限らない流通構造全体との関わりのなかで貨幣のあり方を検討する必要があるとの問題関心から、織豊政権や近世初頭の幕府および大名(藩)権力による経済政策の分析を進めた。具体的には東北地方で開発の進んだ金山を支配した仙台藩の様相を探ることとし、17世紀の金山を抱える村落における産金および藩による金収取について検討を行った。17世紀後半には産金量が早くも減少に転じたものの、金収取については継続的に行われたため、産金村落にとっては過重な負担になったことと、村落ではその対策として製鉄などの生業が進められたことを明らかにした。これについては既に脱稿しており、近い将来において論文集として刊行される予定である。また昨年度に引き続いて『兼見卿記』における金の使用記事について分析を行い、16世紀後半京都における貨幣としての金の普及過程について具体的に明らかにした。とりわけ当該期の金貨として著名な「天正大判」に関する記事を発見し、紹介した。従来は天正16年(1588)の鋳造開始とされているが、当該記事は天正15年(1587)2月のものであり、天正16年鋳造開始説が誤りであることを指摘した。このほか天理大学付属天理図書館が所蔵している伊勢御師関係史料の中に、中近世移行期の貨幣流通の様子が具体的に見いだせる史料があり、その調査を行っている。なるべく早く分析結果を公表したい。
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