研究課題/領域番号 |
08J01219
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
林産科学・木質工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
細谷 隆史 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2010年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | セルロース / バイオマス / 熱分解 / レボグルコサン / 生成機構 / DFT法 / 量子化学計算 / 活性障壁 / 木材多糖 / 無水糖 |
研究概要 |
平成22年度は、セルロース結晶の熱分解におけるレボグルコサン生成機構の解明に取り組んだ。平成20年度にモデル系であるメチルグルコシドからのレボグルコサン生成機構を解明し、本成果はJournal of Organic Chemistry誌に掲載されているが、本研究ではその研究成果を基礎とし、より実際の系に近いグルコースオリゴマーをモデルとして使用した。その結果、分子間水素結合を含む巨大なセルロース結晶モデルを採用することにより、レボグルコサンの生成機構の大部分が解明された。すなわち、レボグルコサン生成における初期反応は、分子鎖の中間ユニットの反応によるレボグルコサン残基の生成であり、その後にレボグルコサン残基よりレボグルコサンが連続的に生成する機構が提案された。本反応の律速段階は、初期反応であるレボグルコサン残基生成反応であり、計算されたこの反応における活性障壁は~56kccal/molと、実験値である48~60kcal/molとよく一致する。さらに提案された本機構により、これまでに提案された機構では説明不能であった、高結晶化度のセルロースほどレボグルコサンを高収率で与える、熱分解中にセルロース結晶構造が維持されるなどの実験事実が合理的に説明可能になった。本結果はJournal of Organic Chemistry誌に投稿予定である。なお、昨年度の研究成果であるアルカリ条件でのレボグルコサン生成機構に関する研究成果はJournal of Organic Chemistry誌に掲載された。
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