研究課題/領域番号 |
08J01521
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
内田 裕之 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | X線天文学 / 超新星残骸 / 白鳥座ループ / すざく |
研究概要 |
全天で2番目に大きくX線で明るい超新星残骸である白鳥座ループの観測を行った。観測に用いたのは、ヨーロッパが打ち上げたXMM-Newton衛星と日本が打ち上げたすざく衛星である。前年度の観測から、白鳥座ループの南西部にシェルの極めて薄い領域があることを発見した。今年度は、このようにシェルの薄い領域が周囲に複数存在することを突き止めた。さらに、視線方向のシェルの状態を探り、白鳥座ループの大局的なシェル構造を明らかにした。これらの結果は、古い超新星残骸における粒子加速、特に陽子加速機構を調べる上で重要であり、今後ガンマ線等での観測が期待される。本研究成果について国際学会で発表を行い、ApJに論文を発表した。 また、すざく、XMM-Newtonでこれまでに得た観測データをすべて用いてX線スペクトルの統計を上げることで、これまで検出されたことのなかったアルゴンの輝線を発見した。また観測したアルゴンが中心集中していることを示し、イジェクタ起源であることを突き止めた。これによって、白鳥座ループの起源を12太陽質量の重力崩壊型であると結論づけた。本研究成果は国内外の学会で発表し、論文にまとめPASJに投稿中である。 さらに、白鳥座ループや、これと同年齢で粒子加速の証拠が見つかっているG156.2+5.7といった超新星残骸について、すざく衛星の観測提案書を作成し、受理された。これらの観測は、来年度中に行われる予定であり、超新星残骸における粒子加速機構の解明につながる成果を上げられると期待している。
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