研究課題/領域番号 |
08J01640
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
機能材料・デバイス
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山岸 正和 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2010年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 有機半導体 / 電界効果トランジスタ / ホール効果 / 電荷移動 / 有機半導体単結晶 / バンド伝導 |
研究概要 |
本研究では、有機半導体層の絶縁体/半導体界面やキャリアドープ層/半導体界面などのヘテロ接合界面近傍に高移動度かつ高キャリア密度の電子伝導層を構築し、この新奇ハイブリッド材料の界面電子系を超伝導などの物性発現およびデバイスへの応用に結びつけることを目的としている。今年度は、電界効果トランジスタ構造を援用して、実際の有機デバイスに多く用いられているいくつかの界面の電子伝導チャンネルのホール効果測定を行い、キャリアの基本的な電子状態と伝導機構の違いを明らかにした。以下に、応用上特に重要である高移動度を示す結晶性塗布膜FETと、実際に様々な有機デバイスで重要な機能性を発現している電子供与性分子層/電子受容性分子層の界面での伝導機構について報告する。 [alkyl-BTBTおよびalkyl-DNTT結晶性塗布膜の結晶性評価とキャリア伝導機構]最近、我々のグループで開発したalkyl-BTBTおよびalkyl-DNTT分子の結晶性塗布膜トランジスタの結晶性の評価とホール効果測定を行った。これらの結晶性薄膜は、溶媒が一方向に乾燥するように工夫することによって得られ、これまでの塗布型有機FETに比べ、1-2桁高いキャリア移動度を示す。まず、X線回折測定によって、数百ミクロンサイズの単結晶が成長していることを明らかにした。また、ホール効果測定の結果、結晶薄膜中および単結晶中で正孔が分子間に非局在化して自由電子的な電子状態であることがわかった。この簡便な塗布法によって作製した有機半導体層でキャリアが高い伝導性を示すバンド伝導を実現している結果は、有機半導体デバイスの応用研究のための重要な基盤となる。 [電子供与性分子層/電子受容性分子層の界面のキャリア伝導機構]新しい有機半導体界面であるアクセプターとドナーの"電荷移動界面"においても、キャリアが非局在化し"バンド伝導"していることを明らかにした。キャリアの高い伝導性を示した今回の結果は、アクセプターとドナーの界面を有する有機太陽電池や有機ELなどの有機デバイスのさらなる高性能化の基礎科学的根拠となる。
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