研究課題/領域番号 |
08J01806
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
地質学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
堀 真子 広島大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 鍾乳石 / フィリピン / 酸素安定同位体比 / ストロンチウム / 希土類パターン / ヤンガー・ドリヤス期 / 安定同位体 / 古気候学 / 炭酸塩堆積学 / 年代測定 |
研究概要 |
本年度は、これまで進めてきた鍾乳石の酸素安定同位体比解析に加えて、ストロンチウム同位体比や希土類元素を分析し、新たなトレーサー元素の開拓に取り組んだ。 1.4月から9月の半年間は、台湾大学で昨年度から引き続き、フィリピンの鍾乳石を対象としてウラン・トリウム法による年代測定、および酸素安定同位体比測定を行った。記録は過去1800年間にわたる。本研究では、太平洋の低緯度地域の降水量変動で、これまでよく知られていたモンスーンシステムの他にENSOによる降水量異常が大きく影響する可能性が明らかになった。短周期の変動が長周期変動とどのようにリンクするかは、これまでよく分かっておらず、異なるモードを持つ気候システムのリンケージを理解する上で重要な成果である。研究成果を12月のAGU Fall Meetingでポスター発表しており、現在投稿準備中である。 2.10月からは外来研究員として高知コア研究所に研究拠点を移し、エアロゾルやダストの影響を読み取ることを目標として、TIMSを用いたストロンチウム同位体比測定とICP-MSによる希土類パターンの測定を行った。試料には、広島県の鍾乳石を用いた。過去の研究から、鍾乳石のストロンチウムは石灰岩と黄砂の2つの起源を持つと考えられたが、日本の鍾乳石の場合、石灰岩体に狭在する玄武岩の影響で系が複雑になる。一方、希土類元素パターンは、ヤンガー・ドリヤス期に特徴的な変化を示し、この時代の陸域における重要な環境変化を示す可能性が本研究で初めて明らかになった。
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