• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

レヴァント商人活動とイギリス-オスマン帝国間カピチュレーションの形成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08J01824
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 東洋史
研究機関筑波大学

研究代表者

林 香那  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2008 – 2010
研究課題ステータス 完了 (2010年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2010年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2009年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2008年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワードオスマン帝国史 / 地中海交易 / レヴァント商人 / カピチュレーション / オスマン帝国
研究概要

本年度は、17世紀前半のイギリス・カピチュレーションの更新状況とその内容について分析し、さらに前年度までの研究成果と合わせて研究課題についての包括的な成果を論文としてまとめ、発表した。
17世紀初頭には、後退した両国関係を回復するべく派遣された大使グローバーが黒海交易への参入を実現し、続く大使ピンダーが1614年カピチュレーション更新しているが、ここからレヴァント交易における絹輸入拡大の傾向を見て取ることができた。同時期に東インド会社による東インド物産輸入が活発化し、さらに1620年代以降には元来東方物産の輸入を目的としていたレヴァント交易が毛織物輸出に重点を移し、後に絹輸入との単品目交換という特徴的な交易形態へと変化していくことを鑑みれば、該カピチュレーションがレヴァント交易の動向を敏速に反映していたとことが分かった。またこの時期までのイギリス大使らは、その経歴からレヴァント・カンパニーの一員としての立場を踏襲していたと見られるが、商人としてレヴァントの事情に精通した経験は大使の資質と不可分であり、地中海域での海賊被害や大使館経営の金銭的困窮からレヴァント交易が危機に陥る中、その資質の高さによってオスマン宮廷内で尊重されていた様子が伺えた。特に大使ローはアルジェリア・チュニスの海賊問題への対策として1622年にカピチュレーションを更新し、交易活動を保護しているが、オスマン宮廷での信頼がその原動力となっていたことが明らかになった。
以上を踏まえ作成した論文では、16世紀末から17世紀初頭には、イギリスの対オスマン帝国外交はレヴァント・カンパニーが主導し、イギリス大使らはレヴァント商人の要求を反映したカピチュレーションを獲得しているが、その交渉に際しては、金銭的負担或いは大使個人の資質によるオスマン宮廷中枢との人的紐帯が欠かせなかったと指摘出来た

報告書

(3件)
  • 2010 実績報告書
  • 2009 実績報告書
  • 2008 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 十七世紀初頭オスマン帝国におけるイギリス大使とカピチュレーション2011

    • 著者名/発表者名
      林香那
    • 雑誌名

      社会文化史学

      巻: 54 ページ: 57-74

    • NAID

      40018930277

    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] イギリス・カピチュレーションの締結とレヴァント商人2009

    • 著者名/発表者名
      林香那
    • 雑誌名

      史境 58号

      ページ: 46-66

    • NAID

      40016649333

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] イギリス・カピチュレーションの獲得とレヴァント商人2008

    • 著者名/発表者名
      林香那
    • 学会等名
      歴史人類学会 第29回大会
    • 発表場所
      筑波大学大塚キャンパス
    • 年月日
      2008-11-08
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書

URL: 

公開日: 2008-04-01   更新日: 2024-03-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi