研究課題/領域番号 |
08J02016
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中島 啓裕 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 種子散布 / 熱帯雨林 / 環境問題 / 哺乳類 / 生態学 / 生物学 / 東南アジア / マレーシア / 人為的撹乱 |
研究概要 |
東南アジアの熱帯雨林では、人間による開発活動の結果、大型動物の減少・絶滅が急速に進行している。本研究では、こうした動物相の変化が、植物の種子散布過程に与える影響を評価するため、人為的撹乱に耐性のある種が、どの程度脆弱な大型種の機能を代替できるのかについて調査を行った。特に、東南アジア熱帯における代表的な撹乱耐性種パームシベット(体重2~3kg)に注目し、1.運べる種子サイズ、2.散布距離、3.散布先の環境及び散布先での生存・成長率の3点について、大型動物が持つ能力と比較した。平成21年度は、平成20年度までに行ったマレーシア・サバ州タビン野生動物保護区でのフィールドワークの成果を、投稿論文、博士学位論文としてまとめる作業に専念した。データの解析の結果、パームシベットは、マカク類などの他の撹乱体制種と比べれば、1.圧倒的に大きな種子を飲み込み、2.はるかに長距離(数百メートル)散布すること、3.光環境の優れた植物にとって好適な環境へ散布することが明らかにされた。このことは、人為的撹乱に対して比較的強い耐性を持つパームシベットが、撹乱環境下の森林で重要な役割を果たしていることが明らかにされたといえる。しかし、運べる種サイズ、散布距離の点では、より大型の果実食動物のほうが潜在的な能力が高いこと、シベットはパイオニア性の小型植物の散布にも貢献していることも明らかにされ、大型動物の機能を完全に代替することは困難であるとも示唆された。
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