研究課題/領域番号 |
08J02242
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
杉坂 純一郎 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 光通信 / バッファメモリ / フォトニック結晶 / 導波路曲げ損失 / 境界要素法 / 光スイッチ / 光導波路 |
研究概要 |
今年度は光バッファ回路の主要部分となるリング共振器の3次元電磁場解析を行った。リング導波路に光パルス列を長時間保持するには導波路の曲がり部分の放射損失を低減することが必要であるが、その放射光の厳密な解析には3次元電磁場解析を要し、また導波路長が長いことから大型計算機を用いても困難である。そこで、前年度に用いた境界要素法を3次元計算に拡張し、計算手法自体を薪たに開発した。この手法は、FDTD法等の一般的な汎用電磁場解析手法と異なり、電磁場がスラブからの放射角成分に展開された形で得られ、放射損失を解析する上で非常に都合が良い。この手法を用いて、スラブ上下面から放射するモードのフォトニックバンド図を計算した。計算を行うに当たって前年度に構築したクラスタにパソコンを増設し、十分なメモリ量が確保できるようにした。また計算速度の向上のため、GPUを追加しCUDAによる演算も可能にしている。通常のフォトニック結晶直線導波路はライトラインより低周波数側の光はスラブ上下面から放射しないことが保証されるが、計算の結果、フォトニック結晶円弧曲がり導波路にはライトラインより低周波側にも放射が存在することが示された。ただし、導波光との結合強度を解析すると、ライトラインより低周波側に存在する放射モードはエバネッセント波を介した非常に弱い結合であり、導波路曲率を小さくすることで放射損失が指数関数的に減少する計算結果が得られた。すなわち、この放射は光ファイバーや誘電体導波路等の一般的な導波路に存在する曲げ損失と同等のものである。最終的に、円弧曲がり導波路には一般的な導波路に存在する放射損失以外の強い放射は存在せず、一般の導波路と同等の低い損失と、フォトニック結晶特有の低群速度帯域を持つ有用な導波路であることを結論付けた。
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