研究課題/領域番号 |
08J02294
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
機能材料・デバイス
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
須田 理行 慶應義塾大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | フォトンモード磁気記録 / フォトクロミズム / 強磁性ナノ粒子 / 超伝導 / 希薄磁性半導体 / 有機・無機複合化 / 界面強磁性 / スピントロニクス / 垂直磁気異方性 / 交互積層法 / パターンドメディア |
研究概要 |
本年度は、フォトクロミック分子と無機機能性ナノ構造体との有機-無機複合化による新奇な光機能性材料の創製とそのメカニズムの解明を目的とした。実際に、フォトクロミック分子との複合化のターゲットとなる無機物質をこれまでの磁性体から半導体や超伝導体、半導体-金属ショットキ接合などへと展開し、興味深い現象の観測とそのメカニズムの解明に成功した。半導体(酸化亜鉛)ナノ粒子にフォトクロミック分子を修飾したシステムにおいては、界面の化学結合に伴う室温強磁性の発現と、その光可逆制御に成功した。このシステムにおいては、磁性という電子のスピンという自由度のみならず電子の電荷、すなわち電気伝導との多重物性制御が可能であることを意味しており、スピントロニクス分野に新たな可能性をもたらす研究になったものと思われる。超伝導ニオブ薄膜にフォトクロミック分子を修飾したシステムにおいては、光照射に伴った超伝導体転移温度及び臨界電流値の光可逆スイッチングに世界で初めて成功した。本成果は、これまでに存在しなかった光超伝導という新分野を開拓する重要な礎になりうるものと考えている。また、現在も研究を継続中ではあるが、半導体(ガリウムヒ素)-金属(金)ショットキー接合にフォトクロミック分子を組み込んだシステムにおいては、このショットキー接合間に流れる電流の光照射によるON/OFF特性を観測した。これは、光によって電流をON/OFF出来る新たな光ダイオード開発の基盤となる技術になるものと期待されるため、更なる高性能化に取り組んでいる。以上のように、本年は、昨年度までの光磁性制御に関する研究によって培ったノウハウを新たな物性へと拡張することを試み、実際に多くの重要な成果を残すことが出来たものと考えている。
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