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プラトンの問答法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08J02423
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 哲学・倫理学
研究機関京都大学

研究代表者

藤田 大雪  京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2008 – 2009
研究課題ステータス 完了 (2009年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
2009年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2008年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
キーワードプラトン / アリストテレス / テアイテトス / 形而上学 / プロタゴラス / 相対主義 / 自己論駁 / 問答法 / パイドン / メノン / ディアレクティケー / 仮設法 / イデア / アナリュシス
研究概要

平成21年度は、問答法の中でも特に「自己論駁」という議論形式に的を絞って考察を進めてきた。まずは、(i)プロタゴラスの人間尺度説が自己論駁に陥ることを示す『テアイテトス』169-171の有名な議論を取り上げ、証明の構造を再構成して議論の理解を深めることに努めた。次に、(ii)アリストテレスが矛盾律の疑いえなさを論証した『形而上学』Γ巻第3章の議論を取り上げ、従来の解釈に反して当該の箇所が自己論駁批判として読めることを示した。研究の結論は概ね以下のようなものである。
(i)プラトンによって理解された人間尺度説は、いかなる現れも互いに矛盾することはないとするきわめてラジカルな相対主義だった。この尺度説の信奉者を名乗るプロタゴラスには、それゆえ、他の前提との矛盾を指摘するという通常の論駁方法は通用しない。尺度説にしたがえば、それらは実際には矛盾しないことになってしまうからである。ところで、他の前提によって尺度説の誤りを証明できないのなら、尺度説の肯定そのものからその否定を引き出すしかないだろう。もし尺度説を信じているなら尺度説を信じていない。このような論証方式は、それゆえ、ラジカルな尺度説を主張する論者に対してとりうる唯一可能な対処方法であったと推定できる。
(ii)矛盾律の否定を信じるなら,矛盾律の肯定も信じなければならない。しかし,もし矛盾律の肯定を信じるのなら,その否定を同時に信じることは不可能となる。アリストテレスは、矛盾律の否定がこのように自己論駁へと帰着するために、矛盾律がそれ自体としてそれについて間違うことが不可能な原理であり、またもっとも強固な原理であると論定している。

報告書

(2件)
  • 2009 実績報告書
  • 2008 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 2009 2008

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 書評:Leonid Zhmud, The Origin of the History of Science in Classical Antiquity2010

    • 著者名/発表者名
      藤田大雪
    • 雑誌名

      西洋古典学研究 Vol.58

      ページ: 167-170

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 生成消滅の文法--プラトン『パイドン』における原因論について--2009

    • 著者名/発表者名
      藤田大雪
    • 雑誌名

      アルケー Vol.16

      ページ: 121-132

    • NAID

      40016758430

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 『形而上学』Γ巻における矛盾律の疑いえなさについて2009

    • 著者名/発表者名
      藤田大雪
    • 雑誌名

      京都大学西洋古代哲学研究室紀要 Vol.15

      ページ: 1-11

    • NAID

      120001851038

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [雑誌論文] 生成消滅の文法-プラトン『パイドン』における原因論について-2009

    • 著者名/発表者名
      藤田大雪
    • 雑誌名

      アルケー 16

    • NAID

      40016758430

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 書評・田中伸司『対話とアポリア-ソクラテスの探求の論理』2008

    • 著者名/発表者名
      藤田大雪
    • 雑誌名

      古代哲学研究 40

      ページ: 61-66

    • NAID

      40016105166

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [学会発表] なぜ相対主義は自己論駁的なのか-プラトン『テアイテトス』における人間尺度説批判について2009

    • 著者名/発表者名
      藤田大雪
    • 学会等名
      Societas Philosophiae Doshisha
    • 発表場所
      同志社大学
    • 年月日
      2009-09-13
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] 生成消滅の文法-プラトン『パイドン』における原因論について-2008

    • 著者名/発表者名
      藤田大雪
    • 学会等名
      関西哲学会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2008-10-19
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書

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公開日: 2008-04-01   更新日: 2024-03-26  

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