研究課題
特別研究員奨励費
本研究の目的は、18世紀イスタンブルの事例をもとにオスマン帝国下の都市における商工民・同職組合の実態を解明することにある。従来、商工民・同職組合史研究の問題点としてその史料的制約が挙げられてきた。そこで、これまで国内外を問わず充分に活用されてこなかったイスタンブル・シャリーア法廷台帳に着目し、そこに記された商工民・同職組合に関する1,000点以上の記録の収集とデータベース化作業を行った。その成果の一部は2008年イスタンブルで開催された「第6回国際ウスキュダル学会」において発表した。また、その発表で取り上げた内容のうち、イスタンブルの中心地区と郊外の商工民の関係や食糧・物資の流通に関する問題に的を絞り、大幅に加筆を施した論考を『史学』誌上において発表した。これによって、商工民・同職組合史研究を始めとする社会史研究におけるイスタンブル・シャリーア法廷台帳の史料的重要性と問題点が、食糧・物資流通などの諸問題の考察を通して具体的に示されたと考えられる。今後は以上の研究を踏まえ、構築されたデータベースに基づくより踏み込んだ実証的考察を進めることが課題となる。
すべて 2010 2009 2008
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
イスラム世界 74
ページ: 121-128
史学 79/1-2
ページ: 173-196
Uluslararasi Uskudar Sempozyumu VI(1-9 Kasim 2008)Bildiriler, Istanbul : Uskudar Belediyesi, Kultur ve Sosyal Isler Mudurlugu(C.Yilmaz(ed.))
ページ: 429-442