研究概要 |
多糖シゾフィラン(SPG)と同じb-1,3グルカン類の多糖カードランの3重らせん形性能を利用し6位水酸基部分にClick反応によって環状ホスト分子シクロデキストリンを導入した。導入率を1^H NMRスペクトル測定によって見積もったところ98%と非常に高い修飾率でシクロデキストリンが導入できていることが分かった。このシクロデキストリン修飾カードラン中ヘアゾベンゼンを側鎖として修飾したポリアクリル酸を水中にて混合したところ、側鎖シクロデキストリンとアゾベンゼンの間の包接錯体の形成によってゲル化した。また、このゲルへ紫外光(λ=365nm)を照射したところ、側鎖アゾベンゼンが光異性化(from trans-to cis-)することによって側鎖間包接錯体が解離し、ゲルはソルの状態へと変化した。またこのソル状態の溶液に対し、可視光(λ=430nm)を照射したところ、側鎖アゾベンゼンが再び光異性化(from cis-totrans-)することによって再び側鎖シクロデキストリンとアゾベンゼンの間で包接緒体が形成され、再びゲル状態に戻ることが分かった。この光照射によるゲル化、ソル化は可逆的に繰り返し行うことができた。このように側鎮間での超分子錯体の形成と解離を利用することで光ゾルゲルスイツチング可能なヒドロゲルの作製仁成功した。このようなマテリアルは人工筋肉、自己修復材料、薬物輸送など非常に幅広い分野への応用が期待される。本研究成果は国際学術誌(査読有)に1報、国内学会発表2件、国外学会発表(査読有)4件として発表を行った。
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