研究課題/領域番号 |
08J02948
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
資源保全学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大沼 奈弥 (大久保 奈弥) 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 特別研究員(PD) (50401576)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2010年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2009年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2008年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | サンゴ / 発生 / 種苗生産 / キクメイシ / クサビライシ / 保全 / 増殖 / 原腸形成 / 着底変態 / 遺伝子 / 胚 / 採取 / 切断 / 移植 / 第2軸 |
研究概要 |
本研究の最終目標は、有性生殖を利用したキクメイシ科サンゴの種苗生産技術を確立することにより、衰退が著しいサンゴ礁の種多様性を維持するための積極的な回復(増殖)の方策とし、サンゴ礁の資源保全に貢献することである。第3年度の今年は、着底に関わる遺伝子の探索と、着底させたサンゴの生育を行った。オーストラリア国立大学においては、昨年度からmRNAの採取およびcDNAの作成を行い、ハイスループットシーケンシングにより、サンゴ1種あたり2万以上の遺伝子を取る事に成功した。データベースから着底変態に関わる遺伝子や、それに至るための原腸形成に関わる遺伝子を探索し、発現量と発現パターンをIn Situ Hybridizationにより調べたところ、原腸形成や口の形成に関わる幾つかの遺伝子において、その発現パターンを解析することに成功した。それらの解析により、サンゴの原腸形成期を初めて明らかにするという生物学的に大変重要な発見をすることもできたので、平成22年度日本動物学会においてその成果を発表した。また、着底後のサンゴの育成に関して、瀬戸臨海実験所では難しかったため、沖縄県の阿嘉島臨海研究所において、幼生を基盤に着生させ、育成を試みている途中である。本研究により、ミドリイシ科以外のサンゴでは初めて種苗生産の試みがなされ、着底変態を含む発生過程で発現する遺伝子のほぼ全てを世界で初めて採取することが出来た。サンゴの種苗生産において種の多様性を維持するための道が拓けたと考えてよいだろう。
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