研究課題
特別研究員奨励費
初年度に構築した乳酸(LA)ユニットとヒドロキシブタン酸(HB)ユニットからなる乳酸ポリマー、P(LA-co-HB)の生合成経路を利用して、ポリマー中のLA分率向上を目指した。嫌気条件下で菌体を培養し、乳酸の供給量を増加して、モノマーであるLA-CoAの供給量増加を促した。結果、共重合ポリマー中のLAユニット分率が飛躍的に上昇したP(47mol% LA-co-HB)を合成した。続いて、さらなるLA分率の向上を実現するために、乳酸重合酵素に変異を導入し、LA重合能力の高い乳酸重合酵素を創製することを目指した。そこで、HB-CoA重合能力をさらに向上させれば、LA-CoA重合能力の増強につながるのではと考え、これまでにHB-CoA重合能を向上させると報告されていた変異を乳酸重合酵素に導入した。結果、従来の乳酸重合酵素よりも、LA分率が向上した新規乳酸重合酵素を創製することに成功した。本重合酵素と嫌気培養を組み合わせることで、62mol%まで向上した乳酸ポリマーを合成した。さらに、見出した新規変異点におけるアミノ酸飽和変異導入を行うことで、16~45mol%と幅広い範囲でLA分率が調節されたP(LA-co-HB)を合成することができた。これらの乳酸ポリマーの熱的性質分析から、乳酸ポリマーは、これまでPLAの課題であった柔軟性を持つポリマーである可能性を示唆することができた。
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Polymer Degradation and Stability (印刷中)
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