研究課題/領域番号 |
08J03623
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物多様性・分類
|
研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
斎藤 歩希 茨城大学, 理学部, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2010年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2009年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2008年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | 昆虫分類学 / 昆虫系統学 / 生物地理学 / 昆虫分類 / 生物系統地理 / 社会性昆虫 |
研究概要 |
本研究は、生活様式や社会構造が社会性狩蜂のなかでも最も多様であり、行動学的・社会生物学的研究においても注目されてきたアシナガバチ亜科において、未だに分類学的研究の進んでいないParapolybia属の種分類を整理するとともに、チビアシナガバチ族全体を網羅した属間・種群間の頑健な系統関係仮説を構築し、旧世界でチビアシナガバチ族の様々なグループに見られる分断分布の成立要因、またRopalidia属で見られる2つのコロニー創設様式について考察することが目的である。本研究によって、社会性狩蜂で見られる複雑な社会構造の進化、および旧世界の熱帯域を中心に分布する昆虫類の生物地理学的研究において参照可能なフレームワークを提供できる。 本年度は前年度に引き続きParapolybia属について形態形質の重要性に着目した分類学的研究を進め、欧米の博物館を中心に所蔵されているタイプ標本を参照し、分類学的総説をまとめた。さらに台湾にて現地調査を行い、チビアシナガバチ族の標本採集を行うとともに、台湾各地の標本収蔵機関にてアシナガバチ類のタイプ標本等を再度精査した。 また、Ropalidia属において前年度までに収集した、成虫形態形質、ミトコンドリア遺伝子の塩基配列データなどを用いて系統解析を行い、本属における分断された分布の成立過程と、分巣とよばれるコロニー創設様式の起源について考察した。これにより分巣は本属において複数回進化した可能性があることを明らかにした。またチビアシナガバチ族以外にも、本族の系統関係を構築する際に外群として用いるほかのアシナガバチ亜科・スズメバチ亜科についても同様に種レベルで形態形質や、越冬習性などの生態学的情報・分子データなどを収集した。またこれらの成果については学会大会にて順次報告し、また学会誌にも投稿している。
|