研究課題/領域番号 |
08J03662
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
畜産学・草地学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山根 春香 九州大学, 大学院・農学研究院, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | グルタチオン / エネルギー代謝 / グルタミン酸 / システイン / アスパラギン酸 / 脳室投与 |
研究概要 |
ニワトリヒナ脳室へのグルタチオン投与が睡眠を誘発することを以前の研究で証明した。しかし、その作用メカニズムは不明である。そこで、本年度はグルタチオンによる催眠効果とエネルギー代謝との関連を調査した。また、グルタチオンの構成アミノ酸であるグルタミン酸およびシステイン、そしてグルタチオンが結合するといわれているN-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体のリガンドであるアスパラギン酸を脳室投与し、ニワトリヒナのストレス行動にどのような影響を与えるか調査した。 還元型グルタチオン(GSH)をヒナの脳室に投与し、小動物用代謝計測システムにて1時間の酸素消費量および二酸化炭素排出量を測定した。それらをもとに呼吸商およびエネルギー消費量を算出した。GSH投与直後からエネルギー消費は減少したが、投与後27分以降は対照に比してエネルギー消費は増加した。このエネルギー消費量の変化は、GSH投与により引き起こされた催眠・鎮静効果による活動量の低下と相関していた。活動量の上昇と共にエネルギー消費も増加した。血漿中グルコース、遊離脂肪酸およびトリアシルグリセロール濃度への影響は見られなかった。 グルタミン酸、システインおよびアスパラギン酸の脳室投与は、ニワトリヒナ単離ストレス時特有の甲高い鳴き声や自発運動量を抑制し、行動を鎮静化させ、睡眠を引き起こした。一方で、血漿中コルチコステロン濃度への直接的な影響はなかった。よって、グルタチオンの効果は、NMDA受容体やその関連アミノ酸を介して誘発したものである可能性が示唆された。
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