研究課題/領域番号 |
08J03893
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中島 則行 京都大学, 医学研究科, 特別研究員DC1
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2010年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | spontaneous activity / olfactory receptor neuron / hyperpolarization activated cyclic nucleotide gated channel / HCN channel / hyperpolarization activated cyclic / nucleotide gated channel |
研究概要 |
昨年度までに、HCN電流が嗅細胞の自発発火に影響を与えることが分かった。cAMPの合成をSQ73122によりブロックすると自発発火が抑えられることが分かった。一方、cAMPの加水分解を阻害すると、自発発火は増加した。これらにより、自発発火は定常cAMP濃度で十分に維持されていることが分かった。さらにWortmanninにより自発発火が抑えられることから、膜のイノシトールリン酸が関与していることが示唆された。ホールセル記録によっても、HCN電流がcAMPおよび、イノシトールリン酸(PIP2)により、活性化されることで、HCNチャネルが静止膜電位付近で機能することを示した。HCNチャネル阻害薬により自発発火を抑制した状態で、膜の脱分極刺激を加えると自発発火は再び増加した。定常状態でcAMP産生に関わる分子として、Gαタンパク共役受容体の基底活性化を考えた。免疫組織化学により、アドレナリン受容体β2、β3の発現を嗅細胞の細胞体付近に認めた。β2プロッカーにより、嗅細胞の自発発火は強く抑制された。このことからβ2受容体の基底活性化により定常cAMP濃度が維持されていると示唆される。以上のことから、HCN電流は定常レベルのcAMP、イノシトールリン酸の制御の下、静止膜電位付近での脱分極電流を担い、自発発火の形成に重要であることが示唆される結果である。この知見について学術論文として投稿準備中である。
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