研究課題/領域番号 |
08J04263
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 九州大学 (2009) 京都大学 (2008) |
研究代表者 |
吉田 優 九州大学, 先導物質化学研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | ケテンジチオアセタールモノオキシド / ホスフィドアニオン / トシルアミド / 脱保護 / ケテンジチオアセタール / ケテン等価体 / プンメラー反応 |
研究概要 |
本研究では、ケテンジチオアセタールモノオキシドの特性を利用した効率的な合成反応を開発し、既存の手法では合成が困難な医農薬や機能性材料を簡便合成する新手法の開発に努めた。特にフェノール骨格は、多くの医農薬や機能性有機化合物に含まれる重要な骨格である。しかしながら、多置換フェノールを簡便に合成する手法は未だに少ない。そこで、ケテンジチオアセタールモノオキシドとジインによる、形式的な[2+2+2]反応によってフェノールの新規合成法の開発を試みた。しかし、残念ながら、触媒系の検討を行ったが目的物を得ることはできなかった。一方、本研究の途上において、ホスフィドアニオンを用いるトシルアミドの新規脱保護法を見いだしたため、本反応の詳細な検討を行った。含窒素化合物は極めて基本的かつ重要な化合物群で、フェノールと同様に医農薬や機能性材料の基本骨格である。こういった化合物を合成する上で、アミンの特異な反応性を抑えるため、保護基の選択が極めて重要である。中でもトシルアミドは頑丈で取り扱い容易な優れた保護基として知られているが、常法では脱保護が難しい。これに対して、本法は、低温においても速やかにトシル基を除去できる極めて優れた手法である。さらに、用いる反応剤は市販されている化合物であるため、有用かつ簡便な手法と言える。また、窒素原子上での置換反応を経て進行しており、基礎化学的にも重要な知見である。本法を利用することで、含窒素化合物、特に通常合成困難なポリアミン類の合成を容易にすると考えられる。従って、本手法の開発は医薬品や機能性有機化合物の合成に大きく貢献する結果である。
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