研究課題/領域番号 |
08J04323
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物物理学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
寺島 浩行 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | 細菌べん毛 / 回転モーター / イオン結合ポケット / エネルギー変換 / PomAB / イオン透過経路 / in vitro再構成 / ナトリウム / 雷気化学ポテンシャル差 / 無細胞タンパク質合成 |
研究概要 |
細菌のべん毛モーターは、膜内外の共役イオンの電気化学的ポテンシャル差をべん毛の回転に変換する。べん毛モーターの回転機構の解明のためには、エネルギー変換ユニットがどのようにイオンを透過しているのか明らかにしなければならない。そのために、PomA/B複合体のNa^+取込み活性の測定と、イオン透過経路を形成すると思われる残基への変異導入による運動能の解析をし、イオン透過と回転力発生機構の解明を目指した。無細胞タンパク質合成系を用いたPomA/Bの合成、あるいは、CHAPS、Cymal-5によるPomA/B複合体の精製をし、プロテオリポソームに再構成したPomA/BのNa^+の取込み活性の測定を試みたが、有意なNa^+の取込みは検出できなかった。PomBの膜貫通領域に変異を導入し、運動能回復変異体の取得を行った。PomB-L28A/C31Aの運動能を回復させる変異が、PomAの4番目の膜貫通領域のPomA-L183Fであることを見出し、PomAの4番目の膜貫通領域がイオン透過経路に重要であることが示唆された(BIOPHYSICS誌)。また、共役イオンの結合残基であるPomB-D24の電荷を無くしても、べん毛を回転させることができる変異をPomAの膜貫通領域で見つけた(PomA-N194D/PomB-D24N)。PomA-N194はPomB-D24の機能を代替でき、PomA-N194とPomB-D24がNa^+結合ポケットを形成することが示唆された。また、負電荷を持つ側鎖の長さを変化させると運動能が低下することから、適切な側鎖の長さが固定子の機能に対して重要であることが示唆された。これらの成果は、Journal of Moleclular Biology誌に掲載された。本年度の研究によって、共役イオンの結合、透過メカニズムとエネルギー変換機構に対する新たな知見を得ることができた。
|