研究課題/領域番号 |
08J04354
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
阿部 智広 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2010年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 電弱対称性の破れ / 電弱精密測定 / フレーバーの物理 / 余剰次元模型 / コライダーの物理 / 余剰次元 / ヒッグスレス模型 / フレーバー / コライダー |
研究概要 |
前年度に引き続き、ヒッグス粒子無しに電弱対称性を破る模型であるヒッグスレス模型の研究、特にその有効理論である、スリーサイトヒッグスレス模型について研究を進めた。まず、この模型における、FCNC過程からの実験的制限について調べた。この模型では、FCNC過程を抑制する目的で、模型に含まれるいくつかのパラメータがクオークおよびレプトンの世代によらないという強い仮定を課すことが常套手段となっている。しかし、この仮定は、対称性によって保証されるものではないため、量子補正によって破られることが知られている。そのため一般には量子補正が、実験的に許容されないほどの大きなFCNC仮定を引き起こす危険がある。そこで我々は、FCNC過程の計算で典型的に重要な量子補正である、いわゆるBox diagramからのFCNCへの寄与を評価した。解析の結果、それらの寄与は、実験の上限値を2桁ほど下回る大きさであることがわかり、この模型の妥当性を検証することができた。結果は現在論文にまとめている。 また、現在欧州で稼働中のLHC実験におけるこの模型の検証可能性を探るため、この模型が予言する新粒子、Z'のコライダー実験におけるシグナルのシミュレーションを行った。解析の結果、従来考えられていたよりも多くの統計が必要であることが判明した。結果は論文にまとめ、現在投稿準備中である。
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