研究課題
特別研究員奨励費
沖縄島・宮古島・与那国島において、哺乳類化石の産出が確認されている6箇所の洞窟・裂罅の踏査を行い、哺乳類化石標本の収集を行った。また、多良間島で新たに3箇所の洞窟を踏査し、化石が産出すると考えられる堆積物の予備的な採取を行った。得られた標本については、系統・分類学的研究を行い、属種を同定した。タフォノミーの観点からは破片化の状況(磨耗度含む)・サイズ・着色状態・表面の変成状態などのデータを観察・測定し、評価を進めている。前述した6産地においては化石調査と並行して洞窟堆積物のサンプリングを行っている。採集してきた堆積物については、実験室内でpHを測定し評価を行った。化石の化学分析については、総合地球環境学研究所において、コラーゲンの抽出作業及び炭素/窒素比の測定を行った。加えて哺乳類の遺骸を堆積物に埋没させるコラーゲンの減少実験を行い、得られたサンプルについて同様に作業・測定を進めている。前年度からの継続調査において、宮古島・伊良部島・石垣島の計5箇所の洞窟から得られたサンプルに関する研究成果は、博士論文にまとめて京都大学理学研究科に提出した。沖縄島フナクブ第2洞及び宮古島無名の穴での研究成果の一部については、BAR International SeriesのJAQUA proceedingsに投稿し、受理された(現在、編集作業中である)。また、石垣島C-1洞での調査の過程で採集した古人骨については、共同研究者たちとともにAnthropological Scienceに論文を投稿し、受理された(近日掲載される予定である)。学会発表については、日本洞窟学会第35回大会において伊良部島アブガー第2洞から産出した化石を報告し、鉱物分析の結果とコラーゲンの保存に関する考察についてポスター発表を行った。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件)
BAR International Series, JAQUA proceedings : Environmental Changes and Human Occupation in East Asia during OIS3 and OIS2 (印刷中)
Anthropological Science (印刷中)
洞窟学雑誌 33
ページ: 43-51
10027009784