(1)フィールド調査2回 一回目は平江県と長沙県の境にある二種類の方言を調査した。両方言とも平江諸方言に近い特徴を持っており、文法の面はそれぞれの所属地域の方言に近い特徴を持っている。 二回目は東北郷方言と城関方言の境目にある方言や城関方言を調査した。調査結果では、城関方言と特に大きく異なるものは見つからなかった。 (2)博士論文の修正 今年度は平江方言の音韻及び文法の体系的研究という論文の集大成を書き上げた。昨年度の3月に博士論文として提出し、7月の公開審査で頂いたコメントを元に、9月まで修正を行った。これが平江方言に関する唯一の体系的な研究で、漢語方言の記述研究に多大な貢献ができると考えられる。 (3)歌謡曲のデータ整理など 73曲のテキスト(歌詞)、発音つき、タイトルの英訳、アーカイブのカタログを作り、SOAS(ロンドン大学)のアーカイブに登録した。 (4)辞書データの構築 平江方言、北京官話、日本語、英語対応の約3000語の語彙データを作っている。各言語のデータの完成度は約80%である。 (5)文法スケッチの執筆 12月から執筆している英語版の平江方言の文法スケッチが3月31日付けで完成した。現在査読中である。これは平江方言を知らない人に方言の概要を紹介するものである。
|