研究概要 |
プロトルーディンとKIF5の相互作用を介した神経突起形成メカニズムの解明 1)プロトルーディンとKIF5は直接的に結合する プロトルーディンとKIF5を昆虫細胞Sf21株および大腸菌BL21株でそれぞれ発現させ、それぞれに付けておいたタグ(GSTおよびHis_6)で精製した。得られたリコンビナントタンパク質を用いて、in vitroでプルダウン実験を行ったところ、両者が直接的に結合していることが明らかになった。 2)プロトルーディンはKIF5のアダプタータンパク質として機能する HEK293T細胞における過剰発現系で、既知のプロトルーディン結合タンパク質であるRab11や、今回同定された結合タンパク質であるVeside-associated membrane protein-associated protein-A,-B等が、プロトルーディンの発現に依存的にKIF5と共免疫沈降した。この結果から、プロトルーディンは、これらの結合タンパク質をKIF5に繋ぐアダプタータンパク質として機能することが明らかになった。 3)プロトルーディン-KIF5複合体はプロトルーディン結合タンパク質を神経突起に輸送する 初代培養神経細胞において、KIF5のプロトルーディン結合領域の過剰発現によりプロトルーディンとKIF5の結合を阻害したところ、プロトルーディンは神経突起から消失し、細胞体に蓄積した。同条件において、プロトルーディン結合タンパク質であるRab11も、プロトルーディンと共に細胞体に蓄積した。KIF5は神経突起へのタンパク質輸送に重要な役割を果たすモータータンパク質であることから、プロトルーディンはその結合タンパク質をKIF5に繋ぐことでそれらの神経突起への輸送を可能にし、神経突起形成に重要なタンパク質群等を神経突起に供給しているという新規のメカニズムが考えられる。
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