研究課題/領域番号 |
08J05464
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 国立精神・神経センター (2009) 京都大学 (2008) |
研究代表者 |
山口 智恵子 国立精神・神経センター, 神経研究所モデル動物開発部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2009年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2008年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 霊長類 / 音声コミュニケーション / 比較行動学 |
研究概要 |
本研究では、マーモセットの発声行動に影響を与える要因について、個体間の関係性の面から検討した。視認性の有無と音声返答の有無を操作した3種類の異なる隔離場面におけるSeparation callの音響的特徴の差異について検討したところ、異なる種類の音響パラメータごとに異なる時間的変化パターンがみられた。発声頻度と音量については、ペア個体と隔離された直後に急激な上昇がみられ、続いて徐々に減少した。マーモセットはSeparation callを交換することで、はぐれた相手と再会を促していると考えられている。相手とはぐれた直後であれば、相手はまだ近くにいることが予想される。そのような場面において大きな声でたくさん発声することは、相手と再会するのに効果的であると考えられる。しかし、はぐれてからしばらく経っていれば、相手はより遠くに行っている可能性が高い。そのような場面では、ある程度の頻度で発声を繰り返すことの方が、再会の機会を増やすのに効果的であろう。一方で音声の持続時間に関しては、相手からの音声応答がある条件の方がない条件よりも一貫して短かった。相手から返事がある場合に音声を短くすることは、音声交換において相手の音声との重複を避けることに役立つと考えられる。これらのことから、マーモセットが社会的状況に応じて音響特性を調節していることがわかった。また、異なる種類の音響パラメータを別々に調節していることも明らかとなり、このことで社会的状況における音声伝達の効率性を上げていることが示唆された。
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