研究課題/領域番号 |
08J06072
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
日本史
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
貫井 裕恵 早稲田大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2010年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2009年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2008年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
|
キーワード | 東寺(教王護国寺) / 東宝記 / 寺誌 / 歴史叙述 / 史料学 / 書誌学 / 史料編纂 / 写本 / 文書管理 / 『東宝記』 / 縁起 / 寺院史料論 / 歴史情報編纂史 |
研究概要 |
本研究は、南北朝期に成立した総合的寺誌『東宝記』を題材として、中世東寺における歴史叙述の生成と展開を解明することを目的とし、寺院史料論における寺誌の位置づけを明らかにしようとするものである。 まず本年度は、昨年度取り組んだ室町期東寺における寺誌『東宝記』の役割に関する報告について、論文執筆に取り組んだ。本年度発表した論考につづいて、来年度は室町期東寺の寺院運営と寺誌の利用についてもまとめていきたい。 つぎに、本年度の成果として挙げられるのは、国宝本『東宝記』の編纂過程と編纂の主体に関する研究である。国宝本『東宝記』の成立とその編纂過程を解明することを目指した。草稿本・中清書本・清書本や、それらの加筆修正の時期と筆者と特定していくことで、編纂過程を復元できるよう努めた。その上で、すでに史料紹介・解題を発表している『東寺草創以来事』とのテクスト関係や引用文献や私見部分の分析、叙述の構成等から、『東宝記』を編纂するにあたりその叙述に際して、「寺家」としての意識がみえることを指摘した。また、『東宝記』に限らず中世を通じた東寺における史料編纂のありかたについても、今後より深めていく必要がある。東寺に集積された膨大な文書・記録類が、いつだれの手により、どのように管理・維持、テクストの編纂が行われたのかについて、中世寺院における文書・記録の管理のありかたについても今後の課題としたい。
|