研究概要 |
日本の次世代大型重力波検出器(大型低温重力波望遠鏡計画,LCGT)で使用する高品質・高出力レーザー光源に必要とされる極限安定化システムの開発を遂行した.これまでに.100W出力の単一波数レーザーの開発,高出力レーザーの周波数制御技術の開発を行ってきた.平成22年度は以下のような成果をあけた. 1.重力波検出器用の光源に必要とされる光変調システムの検討を行い,位相変調,振幅変調,シンクルサイドバンドなどを任意に切り替えできる変調システムを提案し.実証した. 2.重力波検出器用の光源では.変調に用いる10MHz付近のラジオ周波数帯でのレーザー強度を極力低減する必要がある.そのために,モードクリーナーと呼ばれる光共振器を設計.作成し,評価を行った.その結果,高出力レーザーに用いることから危惧されていだ熱効果に関するデータを得ることができた. 3.ラジオ周波数帯での強度雑音の抑圧性能のさらなる向上のために,光共振器のダブルパス構成での使用を提案し,熱的条件を等しくすると,シングルパス構成より,ダブルパス構成で用いたほうが,強度雑音の低減効果が大きいことを実証した. 3.重力波検出器用光源の短波長化による高感度化のために,レーザーの波長変換実験を行った.リチウムトリボレート結晶を用いて行った外部共振器型波長変換では,前年度46W出力だったものを,熱効果を考慮した設計に改良することで,波長1064nmから532nmへの波長変換出力88W出力(変換効率79%)を実現した.
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