研究課題
特別研究員奨励費
夏季などの暑熱環境下において、鶏は「酸化ストレス」状態に陥る。これにより、生産性が著しく低下すると考えられるが、酸化ストレスの発現機序は未だ明らかでなく、また、有効的な飼養技術も確立されていない。本研究では、急性暑熱時の酸化ストレス誘導因子であるミトコンドリア活性酸素種(mitROS)の過剰産生機構を明らかにするとともに、酸化ストレスを低減する機能性栄養資材を探索することを目的とする。本年度は、後者すなわち機能性資材コエンザイムQ_<10>(CoQ_<10>)を給与し、暑熱時の酸化ストレスに対する緩和効果を調べた。CoQ_<10>は、ROSを捕捉する抗酸化物質であり、ミトコンドリア電子伝達鎖の構成因子でもある。このため、CoQ_<10>給与により、抗酸化のみならずmitROS過剰産生抑制の面からも酸化ストレス低減効果が期待できる。実験では、CoQ_<10>添加飼料(40mg/kg飼料)を10日齢より11日間、雄肉用鶏に自由摂取させた後、25℃を対照区として34℃、12時間急性暑熱曝露した(暑熱区)。酸化ストレスマーカーであるマロンジアルデヒド(MDA)およびカルボニル化タンパク質含量を調べた結果、暑熱曝露によって、血漿MDA含量ならびに浅胸筋カルボニル化タンパク質含量は、通常飼料区では有意に増加したが、CoQ_<10>飼料区ではほとんど変化しなかった。血漿中の総抗酸化能は、暑熱感作およびCoQ_<10>給与のいずれによってもほとんど変化しなかった。これに対し、浅胸筋のmitROS産生量は、FADH_2供給時において暑熱によって著しく増加したが、CoQ_<10>給与によりこの増加は抑えられた。以上の結果より、急性暑熱時において、CoQ_<10>は鶏骨格筋mitROS過剰産生を抑制し、酸化ストレスを低減することが実証された。したがって、CoQ_<10>は暑熱時の酸化ストレス緩和において有効な栄養資材になり得る可能性が示された。
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