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インド洋津波に起因したスリランカにおける再定住事業の実態と住民の環境適応条件

研究課題

研究課題/領域番号 08J07522
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 都市計画・建築計画
研究機関京都大学

研究代表者

前田 昌弘  京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2008 – 2009
研究課題ステータス 完了 (2009年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワード津波災害 / 住宅移転 / 環境移行 / 再定住 / ソーシャル・キャピタル / 地縁・血縁 / マイクロクレジット / スリランカ / 再定住地 / 立地環境分析 / 地縁コミュニティ / ワック / 離散 / 適応 / ローカルNGO / 管理運営
研究概要

前年度(平成20年度)は、インド洋津波に起因したスリランカにおける再定住事業の全体像を把握するために、政府・統計資料を用いて事業制度の分析、再定住地の建設動向と計画内容の分析、被災地から再定住地への人口移動の分析を行った。また、分析を踏まえ、再定住事業の影響が特に大きいと予想されるスリランカ南部・ウェリガマ郡の津波被災集落と再定住地を対象として、居住者の再定住プロセスと行政・NGOの再定住支援に関する実地調査を実施した。本年度は主に調査結果の分析を行い、再定住事業における環境移行にともなう居住者の環境適応の困難化の実態を指摘するとともに、従前居住地コミュニティ内のソーシャル・キャピタルの蓄積が環境移行の影響を緩和し住民環境適応を促進する可能性を指摘した。本研究は、再定住地の実態を踏まえ、従前居住地コミュニティ内のソーシャル・キャピタルを、世帯間関係(地縁関係、血縁関係、マイクロクレジットの関係)および住宅敷地の所有・利用関係という具体的な関係に着目して把握している。そして、それら関係の再編プロセスの分析を通じて、再定住地に環境適応している住民は従前居住地コミュニティとの関係性を何らかの形で維持していること、従前居住地との関係性は地縁・血縁だけでなくマイクロクレジットのような地縁・血縁によらない関係によっても維持されていることを明らかにした。自然災害に起因した再定住事業は一般的に、「住宅再建」と「住宅移転」の二者択一に陥りがちである。また、居住地の範囲で完結した計画が行われ、再定住地と従前居住地の関係性が無視されがちである。しかし、上記した調査結果は、「住宅再建」と「住宅移転」の二者択一の限界を改めて指摘するとともに、従前居住地と再定住地を補完的に捉えて住宅移転および再定住地を計画することの有効性を指摘しており、自然災害に起因した再定住事業の計画論に関する有意義な研究成果になり得ると考えられる。

報告書

(2件)
  • 2009 実績報告書
  • 2008 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2010 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 図書 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 世帯間関係と住宅敷地所有・利用関係による再定住の類型化-インド洋津波後のスリランカにおける住宅移転をともなう再定住に関する研究その1-2010

    • 著者名/発表者名
      前田昌弘, 高田光雄, 神吉紀世子
    • 雑誌名

      日本建築学会計画系論文集 75

      ページ: 1441-1448

    • NAID

      130004895237

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文]2010

    • 著者名/発表者名
      前田昌弘(共著)
    • 雑誌名

      自然災害と復興支援(みんぱく実践人類学シリーズ第9巻)(明石書店)

      ページ: 87-108

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [雑誌論文] スリランカ漁業世帯の菜園付戸建再定住地における居住状況―居住地移転前後の世帯間関係の変化と継続性に着目して―2009

    • 著者名/発表者名
      前田昌弘, 高田光雄, 神吉紀世子
    • 雑誌名

      日本建築学会住宅系研究報告会論文集4

      ページ: 177-186

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Design Principles for Sustainable Resettlement Area in terms of Reorganization of Community Network-Case Study of Housing situation of Sri Lankan Fishery Households after the Indian Ocean Tsunami in 20042009

    • 著者名/発表者名
      前田昌弘, 高田光雄, 神吉紀世子
    • 学会等名
      10th International Congress of Asian Planning Schools Association
    • 発表場所
      CEPT University, Ahmedabad, India
    • 年月日
      2009-11-25
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] インド洋津波後のスリランカ南西沿岸居住地移転事業におけるワッタの再生と変異その1-ワッタの離散と支援格差の発生2009

    • 著者名/発表者名
      前田昌弘, 高田光雄, 神吉紀世子
    • 学会等名
      2009年度日本建築学会大会学術講演会(東北)
    • 発表場所
      東北学院大学
    • 年月日
      2009-08-27
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] GISを用いた2004年インド洋津波後のスリランカに建設された再定住地の立地環境分析その12008

    • 著者名/発表者名
      前田昌弘, 中川雄輔, 高田光雄, 神吉紀世子
    • 学会等名
      2008年度日本建築学会大会(中国)
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2008-09-19
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [学会発表] GISを用いた2004年インド洋津波後のスリランカに建設された再定住地の立地環境分析その22008

    • 著者名/発表者名
      中川雄輔, 前田昌弘, 高田光雄, 神吉紀世子
    • 学会等名
      2008年度日本建築学会大会(中国)
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2008-09-19
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [図書] 持続可能な都市・地域デザイン、MINERVA環境ガバナンス叢書第4巻2010

    • 著者名/発表者名
      前田昌弘(共著)
    • 出版者
      ミネルヴァ書房(掲載決定)
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [図書] スリランカにおける居住地移転をともなう住宅再建の現状と課題、林勲男(編著)、「自然災害と復興支援」、みんぱく実践人類学シリーズ第9巻2009

    • 著者名/発表者名
      林勲男
    • 総ページ数
      22
    • 出版者
      明石書店
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [図書] スリランカの津波被災地における地縁コミュニティの再生と変異〜居住支援制度からみた社会関係資本の操作性、高田光雄(編著)、持続可能な都市・地域デザイン-居住文化育成の視点-、MINERVA環境ガバナンス叢書第4巻2009

    • 著者名/発表者名
      高田光雄
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [備考] 国立民族博物館研究フォーラム「2004インド洋地震津波災害被災地復興の現状と課題」

    • URL

      http://www.minpaku.ac.jp/research/fr/080127.html

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書

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公開日: 2008-04-01   更新日: 2024-03-26  

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