研究課題/領域番号 |
08J08181
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
環境農学
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研究機関 | 独立行政法人海洋研究開発機構 (2009) 東京大学 (2008) |
研究代表者 |
星野 辰彦 独立行政法人海洋研究開発機構, 高知コア研究所, 研究員
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2009年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2008年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 脱窒細菌 / in situ検出 / バイオフィルム / 機能遺伝子 / 微生物生態 / リン蓄積細菌 / 活性汚泥 / 環境微生物 |
研究概要 |
平成20年度はin situ RCAのプロトコールを最適化し、P.stutzeri内部の脱窒に関わる遺伝子群(nirS,nosZ)を同時に検出する事に成功した。平成21年度はこのプロトコールを複合微生物生態系である環境サンプルに適用し、バクテリアの機能と系統をリンクすることを可能にする手法の開発をおこなった。サンプルとして、デンマーク・オールボーにある排水処理施設(生物学的リン除去プロセス)内の活性汚泥を用いた。活性汚泥から抽出したDNAからPCRにより脱窒を担う遺伝子の一つであるnirSを増幅し、クローンライブラリーを作成した。クローンライブラリー中で優占化するいくつかのクラスターを検出するためにin situ RCA用のプローブを設計し、活性汚泥中の脱窒細菌の検出を試みた結果、非常にクリアに脱窒細菌を検出できた。また、2種類のプローブを同時にアプライし、2種類の脱窒細菌の空間的分布を視覚化する事に成功した。さらに、検出された脱窒細菌の形態がリン蓄積細菌のものだと思われたため、16S rRNAを標的としたFISH法によりリン蓄積細菌を検出した後、in situ RCA法でnirS遺伝子を検出した。その結果、今回nirSクローンライブラリー中で優占化した配列がリン蓄積細菌由来であることがわかった。これは複合微生物系においてバクテリアの系統と機能をin situでリンクする事に成功した世界で初めての事例であり、機能と系統をリンクするという環境微生物生態学の10年来の課題を解決する成果である。今後、フローサイトメトリーやレーザーマイクロダイセクションなどにより、in situ RCAで機能に基づいて検出した細胞を分取、16S rRNA遺伝子の配列を決定することでさらに効率的に、機能と系統のリンクを行う事が可能であると思われる。
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