研究課題
特別研究員奨励費
本研究では、反応項を伴う退化非線形放物型方程式に関する解の爆発現象、及び、それと関連の深い曲面消滅問題を研究している。今年度は昨年度得られた曲面消滅問題についての研究に関する結果を論文の形にまとめ、国際専門雑誌に発表した。軸対称性を持つ非コンパクト曲面は、それに内接する円柱と同じ特異時刻を持つ場合、その円柱以外の如何なる曲面も、空間内部で千切れることがなく、無限遠でのみ特異性を発生させる。この結果はコンパクト曲面に関する既存の結果とは対称的である。論文として発表する際、関連事項として、解析半群論による初期値問題の時間局所可解性を加え、さらに無限遠でのquenching発生後の解の挙動に関して、2,3の考察を行った。また、今年度は吸収項付半線形熱方程式のdead-core(解の零点集合)発生時の解の漸近挙動に関しても考察した。これは研究課題にある退化型放物型方程式の爆発現象を変数変換により、吸収項付き非線形放物型方程式の研究に帰着させることを考慮している。漸近挙動は一般にある定常解付近から出発した解は漸近自己相似的にはなりえない。これはdead-coreのできる速さ(dead-core rate)が対応する常微分方程式のものより速いことから帰結されるが、接合漸近展開の方法を用いてある特殊解についてはその速さが正確に求められることを示した。この結果は論文としてまとめ、国際専門雑誌に投稿した(掲載決定)。
すべて 2009 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
Discrete and Continuous Dynamical Systems, Proceedings of the 7th AIMS International Conference(Arlington, Texas, USA), DCDS Supplement 2009
ページ: 691-696
Communications in Partial Differential Equations 34
ページ: 1508-1529
Communications in Contemporary Mathematics (掲載決定)