研究課題/領域番号 |
08J08740
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
濱田 雅 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 反復経頭蓋磁気刺激法 / 一次運動野 / シナプス / 可塑性 / メタ可塑性 / ヒト / 運動誘発電位 / 治療 |
研究概要 |
本研究は反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS)の長期効果の発生機序を明らかにし、神経難病の治療効果をより効率的に行うための刺激方法を開発することを目的とした。昨年度は従来のrTMSより強力に長期効果を誘発する新しいrTMS法、quadripulse stimulation(QPS)を開発し報告した。QPSにより従来のrTMSよりも持続時間が長く安定した効果を、刺激間隔依存性に誘導することができ、その機序としてシナプス可塑性を推定した。シナプス可塑性には、シナプスが常に可変できるよう動的範囲に維持するための恒常性制御系があると推測されている。ヒト運動野においても同様の恒常性制御系があることを昨年度までに示したが、今年度は運動関連領野の一つである補足運動野と運動野の間に同様の系が存在するかを検討した。具体的には補足運動野をQPSによりプライミング刺激し、その後のQPSによる運動野可塑性を検討した。結果、補足運動野プライミング刺激により、運動野可塑性の閾値が変化することが示された。シナプス可塑性の恒常性制御系は学習・記憶、機能的神経疾患の病態に重要であると考えられており、補足運動野-運動野間でも同様の系が存在することは重要な知見である。また各種神経難病における恒常性制御系の変化について詳細に解析することが可能となり画期的な成果といえる。今年度は、昨年度までに行ったパーキンソン病rTMS治療研究(多施設共同無作為化試験)のサブ解析を行い、補足運動野刺激がパーキンソン病の無動に有効であることを示した。補足運動野は大脳基底核との連絡が密であり、特に動作との関連が示唆されている。今回の結果はこういった生理学的知見とも合致するものであり、画期的な成果といえる。
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