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日常生活世界における自殺現象の統制・合理化活動の展開―常識知と相互作用の政治性

研究課題

研究課題/領域番号 08J09027
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 社会学
研究機関立命館大学

研究代表者

藤原 信行  立命館大学, 先端総合学術研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2008 – 2009
研究課題ステータス 完了 (2009年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
2009年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2008年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
キーワード自殺 / 動機付与 / 責任帰属 / 医療化 / 成員カテゴリー化装置 / 動機の語彙 / 自死遺族 / 心理学化 / 心理主義化 / 生活世界 / 常識知
研究概要

1.研究者(以後「私」とする)はまず,日常生活世界における自殺現象の統制・合理化活動の根幹をなす動機付与活動を,エスノメソドロジーにおける「カテゴリー分析」を参照に再検討した.その結果として当該活動が「再帰性」「文脈依存性」を特徴とする再現性のない「個性的な」活動であること,そしてその活動において「因果的説明」と「責任帰属」は相互補完的な関係にあり,分析上両者は不可分であることを確認した.
2.次に私は近年自殺現象の統制・合理化活動に大きな影響を与えていると考えられる,自殺とその予防をめぐる精神医学的知識を「医療化」の観点から検討した.その際,当該年度においてはさしあたり,自殺対策のために公的機関が公表・発行している印刷物およびウェブ上での情報を検討の対象とした.その結果として,それらは「自殺対策の医療化」を象徴する印刷物・情報であること,そして自殺をめぐる責任帰属をより明確にし,それをめぐる争いを不可避なものとさせうる潜勢力を有している--誰が,いかような過失・不作為を犯したかを詳らかにする「マニュアル」としてはたらく--ことが明らかとなった.
3.さらに私は,うつ病患者家族2名へのインタビュー調査も実施した.いずれの対象者も自殺とその危険因子であるとされるうつ病にかんする知識を欠いていた.当該知識の欠如は,自殺予防のためのうつ病患者の「見守り」にかんする負担をめぐる争いにおいて,当該知識を少しでも有する--精神保健専門職からみて「適切」か否かはともかく--者の状況定義や利害が優先される結果を招来していた.

報告書

(2件)
  • 2009 実績報告書
  • 2008 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 自殺(予防)をめぐる「物語」としての精神医学的知識の普及と自死遺族2009

    • 著者名/発表者名
      藤原信行
    • 雑誌名

      精神医療 53

      ページ: 78-84

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [雑誌論文] 自死遺族が自らの経験を語ることの困難--傷(wounds)が真実性を担保する時代のなかで2009

    • 著者名/発表者名
      藤原信行
    • 雑誌名

      生存学研究センター報告 5

      ページ: 152-169

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [雑誌論文] Suicide Survivors' Difficulties in Telling Their Own Experiences ; Regarding Our Society Twisted Relationship between Wounds and Truth2009

    • 著者名/発表者名
      Nobuyuki Fujiwara
    • 雑誌名

      生存学研究センター報告 5

      ページ: 189-207

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [雑誌論文] 自死遺族による死者への自殺動機付与過程の「政治」--意味る他者の死に対する自殺動機付与にたいする逡巡のなかで2009

    • 著者名/発表者名
      藤原信行
    • 雑誌名

      生存学 1

      ページ: 55-69

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 自ら死を選ぶに値する者とは誰か?--死因を自死と噂された、ある事故死者の遺族による語りから2008

    • 著者名/発表者名
      藤原信行
    • 学会等名
      日本社会病理学会第24回大会
    • 発表場所
      大阪府立大学
    • 年月日
      2008-10-05
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [学会発表] 自死遺族が自らの経験を語ることの困難--傷(wounds)が真実性を担保する時代のなかで2008

    • 著者名/発表者名
      藤原信行
    • 学会等名
      立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点特別公開企画
    • 発表場所
      立命館大学
    • 年月日
      2008-06-07
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [図書] 『自殺と向き合う(メンタルヘルス・ライブラリー24)』※「自殺(予防)をめぐる『物語』としての精神医学的知識の普及と自死遺族」(pp.119-128)を担当2009

    • 著者名/発表者名
      岡崎伸郎・浅野弘毅(編)
    • 総ページ数
      197
    • 出版者
      批評社
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [備考]

    • URL

      http://www.arsvi.com/d/s01.htm

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書

URL: 

公開日: 2008-04-01   更新日: 2024-03-26  

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