研究課題/領域番号 |
08J09253
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森口 佑介 東京大学, 大学院・情報学環, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2008年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 認知発達 / 実行機能 / 行動制御 / 乳児 / 社会的場面 / 脳活動 |
研究概要 |
本年度は、研究(1)他者の行動や心的状態が乳児の行動制御およびその発達にいかなる影響を与えるのか、と研究(2)乳児期における行動制御の能力と、就学前の時期の行動制御の能力との関連の検討、を並行して行った。以下に、それぞれの実施状況について記載する。 研究(1)では、特に、乳児における社会的場面での行動制御の発達的変化の検討を行った。乳児の行動制御に他者が影響を与えるか、また、その影響は他者に限ったものなのか、それとも、他者以外の存在も影響を与えうるのかを検証した。本実験には、他者条件、マジックハンド条件、統制条件の3つの条件があった。他者条件では、乳児は箱Aに玩具が隠され、成人の実験者が箱Aから玩具を取り出す様子を観察した。マジックハンド条件では、乳児は、成人の実験者の代わりに、マジックハンドが箱Aから玩具を取り出す様子を観察した。統制条件では、乳児は何も観察しなかった。その後、全ての条件の乳児は、箱Bに玩具が隠される様子を観察した際に、箱Aと箱Bのいずれを探索するかを検討した。その結果、他者条件の乳児は箱Aを探索しやすかったが、マジックハンド条件と統制条件の乳児は箱Bを探索する傾向にあった。この結果は、乳児の行動制御が他者に強い影響を受けることを示唆している。 研究(2)では、幼児の行動制御能力を検討した。行動実験に加えて、幼児の脳活動が指標として使用できるかどうかを検討した。近赤外分光法を用いて、幼児が行動制御能力を測定する課題に取り組んでいる際の脳活動を調べた。その結果、幼児の前頭前野の活動と行動制御能力を測定する課題の成績との間に相関があることが示された。この結果は、幼児の脳活動も指標として用いられる可能性を示している。
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