研究課題/領域番号 |
08J09338
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 光 東京大学, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2010年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2009年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2008年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | 産業組合 / 大蔵省預金部 / 郵便貯金 / 地域社会 / 地域経済 / 近代化 / micro finance / Micro finance / 日本経済史 / 近代史 / 貯蓄 / 工業化 / 共同体機能 / マイクロクレジット |
研究概要 |
本研究は工業化と持続的な経済発展はいかなる条件下で達成できるのか、また工業化はどのような影響を人々の生活に及ぼすのか、その相互関係はどのようなものかを、アジア最初の工業化国である日本の歴史的経験から検討するものである。 日本の工業化では近代化に必要な資金供給は、現在の途上国に多く見られるような海外資本の導入ではなく、貯蓄率の向上によって主に担われた。それは富裕層の貯蓄によってだけでなく、個人零細貯蓄の集積によっても支えられ、郵便貯金・地域銀行・産業組合(現在の農協)に蓄積された。こうした大衆資本はその地域金融機関や大蔵省預金部を通じた地方自治体等の活動に繋がり、地域経済の振興と地域社会における様々なインフラストラクチャーの整備を果たした。 2010年度は、前年度の研究により大衆資本の集積過程がいかなるものであったか、20世紀初頭に定着した人々の貯蓄行動の変化がどのような社会的基盤に根ざしていたかが明らかになったとして、更にその先に視野を広げた。 集積された資金がいかに利用されたか、それがいかに地域における経済発展と繋がったか、その具体的な過程の例として当研究では産業組合の経営を取り上げ、長野県和村の産業組合の成長を分析しつつある。また、郵便貯金の資金によって形成される大蔵省預金部資金の具体的な動きについても、1914年の緊急融資の事例を取り上げ一次資料に基づき具体的に明らかにしつつある。 また、地域経済と地域社会の動きは密接に連動していることから、長野県清内路村などの社会構造とその変化を、近世から近代、そして21世紀現代に至る連続性・断絶性に関する分析も行っている。研究対象とする地域に実際に訪問し一次資料の保全に関しても働きかける事は、歴史的社会遺産の保護という視野からも重要であると考えている。
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