研究概要 |
実験装置RELAXにおいて,低アスペクト比RFPプラズマの軟X線画像計測を行った.RELAXで生成されるプラズマの温度・密度に依存する軟X線強度に対応し,広範囲の視野を確保した独自の軟X線画像計測器の開発を行った.本研究ではピンホールカメラの原理を利用した画像計測システムを設計・製作した.撮像素子に軟X線波長領域に感度の高いマイクロチャンネルプレート(MCP)と残光時間が短い(~0.2μs)蛍光板を組み合わせたMCPアセンブリを用いた.また蛍光板にパルス幅5μsの高電圧パルスを印加して時間分解能を与え,その発光の撮影にはICCDカメラを用いた.またRELAXの容器サイズに合わせた仮想軟X線構造を撮影した場合の数値シミュレーションを行い,カメラの感度解析を行った. 開発した画像計測システムをRELAXに設置し,計測を行った.そしてシミュレーション結果と比較して放射強度が背景よりも高い磁気島構造が存在すると予想される計測結果を得た.また磁場揺動解析より,この構造はm=1/n=4モードの振幅が他のモードに比べて特に大きい場合に出現する傾向にある.撮影時のm=1トロイダルモードスペクトルを見るとn=4モードの振幅が他のモードに比べて支配的になっていることが分かる.よって実験結果はRFPプラズマ中に電子温度・電子密度の高いヘリカル構造が存在することを示している.さらにAXUVアレイで計測した軟X線強度分布に周期的な振動が観測され,軟X線強度の強い領域がX線画像計測の結果は,これまで磁気計測から推測されていた,プラズマの磁場構造がm=1モードの成長によって周期的な構造にヘリカル変形し,その構造がトロイダル回転しているという描像とよく一致する.
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