研究課題/領域番号 |
08J11114
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物分子科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石塚 量見 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | シアノバクテリオクロム / フィコシアノビリン / フィコビオロビリン / 光受容体 / シアノバクテリア / フィトクロム / 青色光 / 緑色光 |
研究概要 |
1、TePixJの結晶構造解析 昨年度シアノバクテリアから精製した標品を用いて、TePixJの緑色光吸収型の結晶構造を解像度2.4Åで得たが、今年度、同じ緑色光吸収型の結晶構造を解像度2.0Åで得ることに成功した。 2、TePixJの光可逆変換機構の解明 結晶構造とアミノ酸のアライメント解析からTePixJの光変換に重要と思われるアミノ酸残基を見出し、その残基をアラニン残基に置換してTePixJの機能を分子レベルで考察した。結晶構造中、発色団フィコビオロビリン(PVB)と相互作用していた492番目のアスパラギン酸残基(D492)をアラニン残基に置換すると、TePixJは光変換不活性成分が多くなり、また発色団はPVBではなくフィコシアノビリン(PCB)であった。本来PVBはTePixJ自身がPCBを異性化して供給されることから、このD492変異体は発色団の異性化反応が異常であることが分かる。このことから、発色団の異性化反応はD492がPCBと直接反応して起こす、もしくはD492が他の重要なアミノ酸と協同して起こすことが分かった。同じく結晶構造中、PVBと相互作用していた523番目のヒスチジン残基(H523)をアラニン残基に置換すると、TePixJは通常の青・緑色光の光可逆変換を示さなくなり、青・橙~赤色光の光可逆変換を示すようになった。発色団はPVBであり、発色団の異性化反応は正常であった。発色団を上から押さえつけていたH523が無くなると、発色団のネジレが解消し、それに伴い共役二重結合系も長くなり吸収の長波長シフトが生じたと考えられる。今回TePixJに独特な、短波長可視光における光可逆変換機構の一端を明らかにできた。
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