研究課題/領域番号 |
09041019
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小泉 潤二 大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 教授 (10153454)
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研究分担者 |
関本 照夫 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (20110083)
中川 敏 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (60175487)
春日 直樹 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (60142668)
丸山 真人 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40209705)
田中 雅一 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (00188335)
佐藤 光 大阪市立大学, 経済学部, 教授 (90093244)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
27,200千円 (直接経費: 27,200千円)
1999年度: 8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
1998年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
1997年度: 9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
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キーワード | 文化人類学 / ラテンアメリカ / 東南アジア / オセアニア / 文化の動態 / グローバル市場 / 移民 / 共同体 / 環太平洋地域 / 文化分析 / 政治経済システム |
研究概要 |
本研究では、環太平洋地域における文化のダイナミクスを政治経済システムとの連関において理解するために、選択した特定地域で人類学的調査を行い、以下の諸点について成果を得た。 1.インド南部からシンガポールへ移民した人々のヒンドゥー教の実践が、少数民の共同体と文化多元的国民国家の双方の象徴となるようなエスノ=ナショナリゼーションのプロセス。 2.マレーシアで移民労働に従事するインドネシア東部の人々の、「伝統の言説」と「発展の言説」の対比と、そこでの市場経済の位置づけ。 3.ニュージーランドのサモア人移民社会の、サモア人社会全体との文化関係、及び世代による新しいアイデンティティ創出のプロセス。 4.メキシコ西部のメスティソ共同体における、米国への移民、土地所有制度、政治的アイデンティティの変化のプロセス。 5.グローバル資本主義の周辺に位置するフィジーで、貨幣への欲求が文化的社会的問題を増大させ、経済的な行き止まりへと導くプロセス。 6.ニュージーランドとオーストラリアで発展してきた地域通貨のシステムと、それが共同体的社会関係を生み出す過程。 7.インドネシア「伝統」産業としてのバティック布生産の、市場競争と技術革新の中でのダイナミックな発展のプロセス。 8.ペルーの農民が、クレオールの都市としての首都リマに移住し旧体制を圧倒し、アンデスの伝統に基づく新たな資本主義的再編成をもたらす過程。 9.中米グアテマラ北西部から米国へ向かう労働移民が、巨額の資金を得てコーヒー生産を開始する経済的インパクトと、移民の基点としての農村共同体の安定性。 労働の移動と共同体の生成の問題は、どの地域にも共通してみられる。システムの側では、労働需要に起因する人的移動、非効率化した国民国家、グローバル化した市場構成が際立つ。文化の側では、対面交渉のもとに社会関係を成立させ、アイデンティティ成立の基盤となるような共同体が際立つ。このように、システム面の「(グローバル)市場」と、文化面の「(ローカル)共同体」が相互に関わるところに現れるさまざまなかたちを、理念型として整理し提示した。
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