研究課題/領域番号 |
09041049
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
土屋 俊幸 岩手大学, 農学部, 助教授 (50271846)
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研究分担者 |
木平 勇吉 東京農工大学, 農学部, 教授 (30021083)
広田 純一 岩手大学, 農学部, 教授 (00173287)
磯崎 博司 岩手大学, 人文社会科学部, 助教授 (40106597)
田中 伸彦 農林水産省, 森林総合研究所・林業経営部, 研究員
柿澤 宏昭 北海道大学, 農学部, 助教授 (90169384)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
1998年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1997年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 資源管理法 / ニュージーランド / 市民参加 / 環境保全 / 持続的経営 |
研究概要 |
本研究の対象は、ニュージーランドにおいて1991年に制定された資源管理法(RMA)に基づく自然資源管理政策である。RMAは、自然資源の統合的管理、徹底的な市民参加などによって、地域レベルにおける持続的管理の現実を目指すものであり、世界的にみても画期的な試みと言える。本研究は、このRMAの実施状況を、直接の当事者からの聞き取り調査を中心に把握し、現時点におけるRMAの政策としての評価、計画プロセスの評価、市民参加過程の技術的問題の検討を行おうとするものである。現地調査では、広域レベルの自治体の典型例としてタラナキ・リジョンを、基礎自治体レベルの典型例としてワイマカリリ・ディストリクトを取り上げ、2地域について詳細な分析を行うとともに、政府機関、団体、大学等や多くの自治体で聞き取り調査を行い、全体的な状況と多様な立場からのRMAに対する評価の把握を行った。 その結果、政策論的な視点からの評価としては、ネオ・リベラリズム下での環境政策の限界、現状肯定的な「持続的管理」への疑義、二つのレベルの自治体間の紛争の問題、市民参加機会の増大による関係団体・住民・行政の疲弊、非規則的な管理手法と市民参加との不適合、都市地域における非規則的な管理手法の有効性への疑義、などの点が指摘できた。また、計画論的な視点からの評価も、計画内容の妥当性、計画策定手続きの妥当性、計画の実効性などについて具体的に検討した。 ただし、現時点では、RMAに基づく各計画は何れの地域においても未だ策定中のものが多く、計画に基づいて実施されるコンセント(開発許認可)制度も暫定的な運用であり、全国の自然資源管理がRMAのもとで本格的に行われるようになるまでには、少なくともあと数年はかかると推測される。従って、本研究は、いわば中間報告であり、数年後の再調査によって初めて完結するものと考えられる。
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