研究課題/領域番号 |
09041054
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
八木 宏典 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00183666)
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研究分担者 |
仲地 宗俊 琉球大学, 農学部, 助教授 (70180312)
永木 正和 筑波大学, 農林学系, 教授 (90003144)
大原 興太郎 三重大学, 生物資源学部, 教授 (70024586)
岩元 泉 鹿児島大学, 農学部, 教授 (10193773)
藤本 彰三 東京農業大学, 農学部, 教授 (80147488)
木南 章 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00186305)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
19,600千円 (直接経費: 19,600千円)
1999年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1998年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1997年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
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キーワード | ベトナム / 水田農業 / 持続的農業 / 紅河デルタ / メコンデルタ / 開放経済 / 市場開放政策 / 発展可能性と経営方式 / 成長作物 / ベトナム水田農業 / 経済開放政策 / 農業構造の変化 |
研究概要 |
1990年から97年にかけて実質年率8.4%で成長してきたベトナムの国内総生産は、1998年にはやや落ち着いた動きをみせている。273億8300万ドルの国民総生産と7千8百万人の人口に対応して、国民1人当たり所得は1999年には351ドル(1995年は300ドル)になった。農業は中央地域の干ばつや洪水にもかかわらず2.7%、工業は鉱業や公共事業にも先導されて9.3%という健全な成長をみせている。 ベトナムの米生産は1975年以降増産を続けており、米の輸出も1989年から96年までは、年間200万トン、97年以降は年間400万トンに達している。米輸出によって得られた収益は、様々な経済再構築に必要な外貨を満たすには至らないが、食料の余剰は人口増のものでの社会的安定と世界の食糧安全保障に貢献している。ベトナムの米輸出は、技術の改良、灌漑の発達、投入財の増加などの要因があるが、それを支えているのが、"ドイモイ"として知られる政府の社会主義型市場経済政策への転換である。この転換は、耕作のための農地保有を含む農業の個別化、海外への市場開放、米の自由国内流通などを含んだものである。ベトナムの経済と農業はこのように成長しているが、農業にはなお克服すべき大きな問題もある。第1には土地なし農民の増加である。1998年9月の政府の調査報告書によれば、この5年間にメコンデルタで136,338戸の農民が農地を失ったという。そして中央高原地域などの他の地域でも同じような傾向がみられるという。第2は農業資金の問題である。70%の農民が農業生産の資金に不足している。しかし、国立銀行はその資金需要の半分しか満たせていない。その一方で、補助により月率0.9%で運用している貧民救済銀行は、貧困民層への十分な融資ができていないという実態がある。 2000年以降の農業計画に関する全国会議において、ベトナムの首相は農業・農村の発展のための政府の努力を強調した。特に農産物、家畜、養魚の生産性と品質を高め、ポストハーベスト技術と加工施設による付加価値を増大し、生産から流通、販売にたずさわる農業協同組合の組織化を図ることがこれからの大きな課題であり、このための取り組みと先進技術の適用を通じた農村工業化の推進の必要について強調している。
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