研究課題/領域番号 |
09041079
|
研究種目 |
国際学術研究
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
|
研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
大島 一二 東京農業大学, 国際食料情報学部, 助教授 (40194138)
|
研究分担者 |
加藤 弘之 神戸大学, 経済学部, 教授 (70152741)
佐藤 宏 一橋大学, 経済学部, 教授 (50211280)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1998年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1997年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
|
キーワード | 中国 / 日系企業 / 出稼ぎ / 戸籍管理制度 / 地域間格差 / 市場経済化 / 出稼ぎ現象 / 経済的性格 / 出身家庭 / 内陸地域 |
研究概要 |
平成10年度においては、前年度の遼寧省大連市、広東省珠江デルタ地域における日系企業従業員アンケート調査に引き続き、さらにこれらの調査結果との比較のため内陸地域に位置する陝西省西安市の日系企業においてもアンケート調査を実施した。この結果計3社の従業員アンケート調査結果を入手した。調査終了後、集計、分析を実施し、以下のような特徴が得られた。(1)出稼ぎ労働者を対象とした結果からは、都市労働市場における閉鎖性(戸籍管理制度による都市への流入規制)によって、出稼ぎ労働者の多くが最終的に帰郷を余儀なくされているという状況が存在していた。中国全体の工業化の担い手の育成という視点から、この問題がこれからしだいに大きな課題となってくると考えられる。(2)また西安と沿海地域の両者のアンケートにみられた労働者の意識からは、沿海・内陸地域に共通する価値基準がすでにかなりの程度形成されつつあるという事実が指摘できる。つまり、市場経済メカニズムの内陸地域への波及が我々の想像以上に進んでいることを示していた。(2)この反面、西安では内陸地域の情報不足状況ががうかがわる結果も得られ、今後予想されるいっそうの市場経済化の進展は、こうした内陸地域の労働者を沿海地域に流出させる可能性をより高いものにすると予想された。 本研究チームは、中国経済の多様性と地域間格差の存在に基づいて、こうした研究をさらに継続することを現在計画している。この種の調査は同一地点において時間的な変化の比較も可能であり、また異なる地点間の比較も可能であるため、今後も継続的に実施することにより出稼ぎ現象の実態により深く迫れるものと考えている。
|