研究分担者 |
パンダ G. B. インド中央政府, 地域開発委員会, 副アドバイザー
三上 勝也 神戸女学院大学, 文学部, 教授 (10068752)
山本 剛郎 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90068742)
G.B.パンダ インド中央政府, 地域開発委員会, 副アドバイザー
パンダ G.B. インド中央政府, 地域開発委員会, 副アドバイザー
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研究概要 |
本研究はインドにおける産業化の進展にともなって抬頭した新たな階層,つまり新たな階級の出現と形成の過程を明らかにし,かつその過程が伝統的インドのカースト・システムにどのような影響を及ぼしているか,さらにこの階級とカーストの交錯が新たな階層序列の構造化を促しているか否かを明らかにすることを目的とした.以下に各々の調査が発見したこと,明確にしたところを整理する. (1)第一報告(報告書第1章)において,対象社会マプサ・タウンの階層現象は多様であるが,産業化の展開,その方向性は明確ではなく,依然としてカースト・システムはこの社会の構造化要因として有力であった.とはいえこの地特有の宗教信仰分布(キリスト教徒総人口の1/4)が旧来の階級関係の変動を促進するものであることが明らかとなった. (2)日系企業の従業員の意識及び態度の調査をおこなった第2報告(第2章)は,この調査をまとめたものだが,そこでは「徐々に」ではあるが新たな中間層の抬頭している模様を明らかにしている. (3)<地方「中間層」の家族生活>の第3論文は日系企業の社宅居住世帯に焦点をあてた.特に中間層のライフスタイルや考え方,価値指向までも含めた生活全体の解明を目指した.明らかになったことは,都市的とさえいえる中間層の発見,かつその家族の日常生活のうちに,近代的家族の諸規範の形成されつつある状況を浮彫りにした.
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