研究分担者 |
高澤 栄一 新潟大学, 理学部, 講師 (80222082)
石川 剛志 静岡大学, 理学部, 講師 (30270979)
海野 進 静岡大学, 理学部, 助教授 (30192511)
川幡 穂高 地質調査所, 海洋地質部, 主任研究官
荒井 章司 金沢大学, 理学部, 教授 (20107684)
石塚 英男 高知大学, 理学部, 助教授 (00142349)
|
研究概要 |
各研究グループごとに成果を要約する.マントルグループは,モホ漸移帯でのメルト-マントルの反応過程の解析とその地域的不均質性を明らかにした.また,川砂のスピネルの分析から,マントルが枯渇した特徴を有していることを明らかにした.広域的なマントルの岩相変化についても,次第に輪郭が明らかになりつつある. 斑れい岩グループは,従来一連とされていた斑れい岩層を2つに区分した.そして,海嶺伝播に伴う地殻深部でのプロセスをモデル化した.また,海嶺セグメントの中心部を同定し,海嶺軸方向に沿ったマグマ組成変化を明らかにした.斑れい岩層の鉱物組成変化から,サイクリックユニットを同定するとともに,斜長石の逆累帯構造の解析から上部マントルからマグマチェンバーへのマグマプロセスの解明へと進みつつある.地殻上部グループは,シート状岩脈群の方向や岩脈の厚さについて広域的に解析し,数kmオーダーでの海嶺のセグメント構造の実体を初めて明らかにした.また,ダイクの幅が海嶺軸方向に沿って系統的な変化を示すことを見いだし,マントルや斑れい岩から推定されていより規模の大きなセグメント構造との対応関係を明らかにした. 変質・地球化学グループは,変質鉱物組み合わせの変化,変質度合などについて記載し,変質条件と層序的位置との関係について検討を進めている.また,Sr同位体組成を用いて,海水が地殻のかなり深部まで到達していることを明らかにした.このほか,アレイユニットの地球化学的検討の結果,これらが極めて特異な性格を持っていることも判明してきた. 構造グループは,オフィオライト基底部の変成岩について2方向の線構造を有するものや,全く線構造が見られない岩石も存在することなどを発見している.この過程で,線構造の認定方法という一般に広く用いられている研究手法自体の再検討をおこない,厳密に線構造を決定する方法も提唱している.
|