研究課題/領域番号 |
09041108
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤原 守 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (00030031)
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研究分担者 |
藤田 佳孝 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教授 (60093457)
与曾井 優 京都大学, 大学院理学研究科, 助手 (80183995)
土岐 博 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (70163962)
CAMERON Jhon アメリカ, インデアナ大学, 教授
江尻 宏泰 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (80013374)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 太陽 / ニュートリノ / 核スピン共鳴 / クォーク核物理 / 荷電交換反応 / 放射光リング / (^3He,t)反応 / 逆コンプトン散乱 / (^3Hc,t)反応 |
研究概要 |
SPring-8放射光リングでの逆コンプトン散乱を用いた原子核実験計画がクォーク核物理開拓のために準備されているが、この計画は、平成9年度に関係研究者の努力のおかげで着実な発展を遂げた。インディアナ大学IUCF研究所長Cameron教授をはじめ、数人の外国人研究者の参加で1997年11月には国際ユーザーグループ会議が開催され、実験遂行の具体的協力グループが組織された。1998年秋には、SPring-8 BL33B2ビームコースの建設が開始される。マルチGeV領域でのクォーク核物理研究の一貫として世界の主要研究施設での高エネルギー・ガンマ線による研究を調査した。結果としてSPring-8放射光リングでの逆コンプトン散乱を用いた実験は世界からも極めて高い評価を受けている。 陽子非弾性散乱による原子核のスピン・アイソスピン構造の実験研究が9月にインデアナ大学において行なわれた。陽子非弾性散乱のゼロ度測定という極めて高い実験技術を要求される実験は成功し、現在、データ解析中である。再度、実験を行ない、より精密な研究成果を得るための実験プロポーザルもインデアナ大学サイクロトロン施設の実験審査委員会で認められた。 太陽ニュートリノ問題解決のためには、^8Bニュートリノと極めて密接な関係にある^7Beニュートリノ強度を精密に測定することである。最近、このための最有力候補となる原子核が考案され、そのための計画が、太陽ニュートリノ問題の初期段階から深く関わって来た、Ragahavan博士によって考案された。ニュートリノ検出のためには^<176>Ybを混合させた大量の液体シンチレーターを使用し、放射線バックグラウンドの極めて少ない地下実験室での長時間測定を行なう。但し、現在、残念なことに^<176>Ybのニュートリノ吸収断面積が正確に測定されていない。このために、インデアナ大学との協力で(^3He,t)荷電交換反応による核スピン励起の研究を行なった。 荷電交換反応による核物理研究は天体物理、素粒子物理とも深く関わって来ている。関連した研究として、原子核のスピン励起を陽子非弾性散乱、及び、光吸収反応を用いて行なう研究がある。前者は核物理研究センターのリング・サイクロトロンからの陽子ビームと高分解能スペクトロメーター「Grand Raiden」を用いて研究できるが、後者の研究は新しく建設されたSPring-8で行なうことが出来る。これは、天体核物理という宇宙の発展と進化を理解するための重要な研究分野の発展をわが国、日本で総合的に進める最良の方法となる。
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