研究課題/領域番号 |
09041144
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
伊沢 紘生 (伊澤 絋生) 宮城教育大学, 教育学部・環境教育実践研究センター, 教授 (70072676)
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研究分担者 |
小林 幹夫 宇都宮大学, 農学部, 教授 (80111392)
木村 光伸 名古屋学院大学, 経済学部, 教授 (50167376)
西邨 顕達 (西村 顕達) 同志社大学, 理工学研究所, 教授 (00027492)
土谷 彰男 広島大学, 総合科学部, 助手 (00263632)
竹原 明秀 岩手大学, 人文社会科学部, 助教授 (40216932)
CESAR Barbos 環境省, 自然保護局, 専任研究員
CARLOS Mejia ロスアンデス大学, 理学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
22,800千円 (直接経費: 22,800千円)
1999年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1998年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1997年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | クモザル / 離合集散型社会 / 父系社会 / パーティ / 種子散布 / 群間関係 / 森林生成メカニズム / 森林構造 / チンパンジー / 食物リスト / 群落構成 / サラオ(塩場) / 新世界ザル / 離合集散性 / 果実食 / ウ-リ-モンキー |
研究概要 |
離合集散型で父系という、サル類では他にアフリカの類人猿チンパンジーとボノボでしか見られないユニークな杜会構造をもつクモザルについて、南米コロンビア国マカレナ地域の熱帯雨林に設営した調査地で、3年間継続調査を行った。その調査は、隣接する4群のサルをハビチュエーションし、完壁に個体識別した上で、複数の研究者による4群の同時観察と、各群について複数のパーティを対象とした複数の研究者による同時観察という画期的な方法を用いて行われ、離合集散の実態が把握された。同時に、その適応的意味を問う上で重要な、主要食物であるクワ科イチヂク属、ヤシ科オエノカルプス属の植物のフェノロジー調査も3年間継続した。また、クモザルの全食物リストを完成、それらの植物を中心とした森林の構造や動態、クモザルの種子散布についても継続調査を行った。その結果、1.森林の果実生産量の季節変化と離合集散するパーティのあり方、2.そのべースになる個体関係とは、3.群れの行動域内でのオスとメスの利用地域の差異とその意味、4.行動域の境界域におけるオスのパトロール行動とオス間の特異的親和性、5.離合集散に介在するロング・コールの頻度と機能、6.群間の抗争的関係、7.父系構造を支える群間でのメスの移出入とメスの性成熟や出産との関係、8.サラオ(塩場)利用の季節性とそこでの特異なグルーピングの意味など、これまで未知だった多大な成果を上げることができた。また、9.クモザルが上記ヤシ科やイチヂク属の植物の種子散布に功罪両面で決定的に関わっている実態、10.新しく形成された砂州の森林生成メカニズムとクモザルの行動域拡張、1l.優占樹種のパッチ構造とパーティのあり方の関係、12.森林構造とパーティの移動ルートや泊り場の関係なども解明され、離合集散性の適応的意味を正面から問える豊富なデータを収集することができた。
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