研究課題/領域番号 |
09041151
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
小原 嘉明 東京農工大学, 農学部, 教授 (60014958)
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研究分担者 |
佐藤 俊幸 東京農工大学, 農学部, 講師 (80242238)
MAJERUS M.N. ケンブリッジ大学, 遺伝学教室, 講師
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | モンシロチョウ / 英国産モンシロチョウ / 翅の色 / 紫外色 / 配偶行動 / 亜種間隔離 / 行動隔離 / 性的行動隔離 / 亜種間交雑 / 雌雄識別 / 視覚的リリーサー / 配偶者特定信号 |
研究概要 |
1.ヨーロッパ(英国)産モンシロチョウの翅の視覚的特徴と配偶行動 エア国産 英国産モンシロチョウ亜種の翅は日本産亜種の翅といくつかの点で視覚的特徴が異なることが分かった。顕著な違いは、雄雌ともに翅の色が黄色味をおびていること、雄の前翅の斑紋がひとつしかないこと、雄雌ともに紫外色を欠くこと、これらの特徴とその他の特徴も含めて視覚的に性的ニ型がほとんど認められないことである。このうち紫外色は日本産亜種では雌特定の鍵刺激を構成する特徴なので、この違いは配偶行動に重要である。一方配偶行動については、基本的に日本産亜種と違いがない。すなわち雄が雌を求めて飛び回り、雌を発見すると接近して交尾する。この配偶者の発見と特定には、嗅覚は本質的役割は演じていない。雄はもっぱら視覚的に雌を特定する。ただし、雌雄の翅の視覚的性的ニ型が不明瞭なことと関連し、雄は雌雄を明確に識別できず、他の雄に誤って接近し、交尾を試みることもある。この交尾試行は静止している雄のはばたき反応によって阻止される。はばたき反応は日本産亜種の配偶行動では明確な機能が知られていないが、英国産亜種では雄間の誤った交尾行動を阻止する機能が認められた。この点についての考察から、英国産亜種が原種であるとの仮説を呈示した。 2.英国産モンシロチョウと日本産モンシロチョウ間の行動的隔離 英国産の雄は英国産雌と高温型日本産雌(白色型)を同時に呈示すると、英国産雌に有意に強く誘引された。しかし低温型日本産雌(黄色型)と同時に呈示すると、後者により強く誘引された。一方日本産雄は英国産雌にはほとんど誘引されなかった。これより両亜種は部分的に行動的隔離されていることが示唆される。
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